クリニックの内装工事はどれくらいの期間がかかる?
クリニックを建てるときには、相応の時間がかかることになります。
ここではクリニックを建てる計画から、引き渡しが終わるまでにかかる所要時間を、主に「内装工事」の観点に立って紹介していきます。
※ここでは目安を紹介しています。実際には、先生のご希望や立地、内装デザインや規模などでかかる時間が変わることもあります。
クリニックの内装を完成させるまでに必要な期間とポイント
クリニックを建てるための土地などの確保・契約が終わった後には、
1.内装業者の決定
2.打ち合わせ
3.工事~引き渡し
4.機器類の搬入
5.引き渡し
の流れをとることになります。
それぞれのポイントについて解説していきます。
内装業者の決定【1か月~2か月】
まず、クリニックの内装を依頼する内装業者の選定と決定を行います。
クリニックの内装を検討するにあたり、明確に「このようなデザインにしたい」という方針があるのであれば、その方針を複数社に示して、相見積もりや図面の製作を依頼しましょう。
また「方向性は決まっているものの、まだぼんやりしている」「まだ内装デザインはまったく考えつかない」という場合は、それを伝えたうえで業者とやりとりしましょう。
この段階で、業者の対応をしっかり見ておくことも大切です。
・十分な提案力があるか
・見積もりに透明性があるか
・技術力や知識は確かか
・接客対応がきちんとしているか
などを見ていきましょう。
内装についての打ち合わせ【1.5か月~3か月】
業者を決定したら、今度は内装のより具体的な打ち合わせに入ります。まずは基本レイアウトを作成して、そこで問題がなければ、細かい部分の設計・決定を行います。
ご希望が固まっているようならば1.5か月程度、まだしっかり固まっていないということであれば3か月程度は見ておいた方がよいでしょう。
またこの段階ではより詳しい見積もり(「概算」ではない)」を出せるので、設計や費用面、応対について納得できたのなら、この段階で契約となります。
工事着手~引き渡し【1.5か月~3か月】
契約後に、工事が始まります。
内装工事の期間は規模によって大きく変わってくるところのうちのひとつであり、早ければ1.5か月ほど、長い場合は引き渡しまでに3か月程度かかります。
医療機器などの搬入【1か月~1.5か月】
クリニックは扱いが厳重な医療機器の運び込み作業が必要となります。そのため、場合によっては医療機器搬送業者を利用する必要が出てくるでしょう。このようなケースでは、業者と連絡し合いながら日付を決めて運び込むことになります。
この「搬入作業」は意外に時間がかかるもので、1か月ほどは見ておかなければなりません。
規模によってかかる期間は変わってくる
クリニックの内装工事は、工事内容や規模によって異なります。それぞれ見ていきましょう。
一部分だけの改修【1週間~2週間】
「待合室の床が経年劣化ではがれたので、ここだけ張り替えたい」「受付や診察室をバリアフリー化したい」などのように、「クリニックの建物全体ではなく一部分にだけアプローチする内装工事」の場合は、期間が非常に短くて済みます。
期間の目安は、1週間~2週間程度となるでしょう。
また、工事の内容によっては、内装工事のための臨時閉院などが不要であることもあります。
自院の全面的な改装【1か月~2.5か月】
「クリニック自体が古くなってきた」「昔建てたものなのでバリアフリー化がされていない」ということで、クリニック全体を改装するということであれば、1か月~2.5か月の工事期間を見ておくとよいでしょう。
なおクリニックの全面的な改装の場合、臨時閉院が必要になる可能性もあります。
テナントビルで内装工事を実施してからの開業【5か月~6か月】
テナント開業のクリニックの場合は、すでにあるビルのなかに開業することになるので、戸建て開業に比べてかかる期間が短くなるのが基本です。
しかしそれでも内装工事を一から始めることになるので、期間は5か月~6か月程度はかかるでしょう。
「春、4月に開業したい」ということであれば、秋口から動き出す必要があります。
一戸建てクリニックで内装工事を実施してからの開業【6か月~1年ほど】
一戸建てのクリニックの場合、テナントビルでの開業に比べて規模も大きくなりがちで、内装工事にかかる期間も長くなります。最低でも半年程度、余裕を持たせたいのならば1年ほどの期間を考えておいた方がよいでしょう。
また、「外国から特別な床材を取り寄せたい」などの希望がある場合は、もう少し時間がかかることもあります。
医療ビル全体の内装工事【1年~3年ほど】
一つのビルに多くのクリニックが入る「医療ビル」は、もっとも大がかりな工事を必要とするものです。医療ビル全体の調和を考えたうえで、それぞれの先生が出してくる「自クリニックの内装」を確認していく必要があるからです。また、工事自体にも長い時間がかかります。
個別の打ち合わせが必要になること、先生の好みやその科の特性を踏まえた提案が必要になることなどから、医療ビルの完成には年単位の時間がかかります。
時間×こだわり、悔いのない内装にするために
最後に、「時間のこともしっかり考慮にいれつつ、先生のこだわりを反映させられるクリニックにするにはどうしたらいいか」を解説していきます。
先生自身のこだわりや「作りたいクリニック」を明確にしていただく
一番大切なのは、先生自身のこだわりや「作りたいクリニック」を早い段階で明確にしていただくことです。
フルサポクリニックを初めとして多くの工事業者では、「まったくイメージできない」という先生方に対して、こちら側から潜在的なニーズを聞き出したうえで提案を行います。そのため、まったくイメージがついていない段階からでもクリニックを建てることは可能ですが、時間はかかってしまいます。
対して、早い時期に、明確に「こういう内装にしたい」というご希望をお聞きしておけば、多くの時間をかけることなく工事を行うことができます。
下記の記事では、クリニックの設計・施工デザインのポイントや注意点について紹介しているので、ぜひこちらも参考にしてください。
【クリニック内装の基礎知識】設計・施工デザインのポイントと注意点
予算や敷地などの情報を早めにご共有いただく
予算や敷地によって、内装のデザインも変わっていきます。たとえば広い敷地の戸建てクリニックならばコア型ナースステーションの提案も考慮しますが、狭い敷地のテナントクリニックならばカウンターのサイズをどれくらいにするかどこに置くべきかを考えることになります。また、ご予算によって行える工事も変わります。
クリニックの内装・設計に特化した工事会社を選ぶ
内装を手掛ける業者は数多くありますが、それぞれ「一般住宅の施工が得意」「工場の内装の実績が豊富」「クリニックの内装・設計が専門」など、得意分野に違いがあります。
クリニックの内装を依頼するのであれば、当然、クリニックの内装・設計を得意としているところを選ぶことが推奨されます。
クリニックの内装工事に慣れている業者であれば、先生の「これがしたい、できる?」にすぐに答えることができますし、「どんな方向性にしたらいいかわからない」にも的確な提案ができます。また「防ウイルスの壁紙を採用しつつ、車いすと杖に対応したトイレの設置をしたい」といった希望にも専門家の知識をもって応えることができます。そのため、時間の短縮につながるでしょう。
「間に入る人」が多くなりすぎないようにする
間に入る業者が複数になると、どうしても話の行き違いが発生しやすくなります。しかし発注~打ち合わせ~工事までを一貫して行える業者に依頼すれば、このようなロスが発生しません。さらに、万が一トラブルがあった際でも、責任の所在を明確にできます。
まとめ
クリニックの工事(内装メイン)では、ある程度の時間がかかります。小規模な工事でも1週間程度、大規模なものだと数年単位になることもあります。
この期間を短縮するためには、クリニック専門の内装業者に依頼することをおすすめします!
フルサポクリニックはクリニック内装に特化した専門業者です。
プランニングから施工、開業までをサポートし、配慮の行き届いた内装施工をスピーディーに実施いたします。
この記事の著者
フルサポクリニック編集部
医療、介護施設の設計施工を得意とする「FULLsupport」が運営。
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