クリニック内装工事の流れと施工会社選びのポイントを解説
クリニックを開業するにあたって、内装デザインが重要な要素となっているのはご存知でしょうか。
少し前までとは異なり、最近のクリニックの内装は清潔感プラスアルファの部分に注目が集まっています。
そこで今回の記事では、開業される先生方にわかりやすく、内装工事の流れと施工会社選びのポイントについて解説していきましょう。
目次
クリニック内装工事の流れ
クリニックを開業する際には、決定しなければならないことやさまざまな手続きが必要となります。
そのなかの一つが、内装デザインと工事の依頼です。クリニックの内装デザインは集患に関わる大切な要素として注目を集めています。
具体的な内装工事の流れについてくわしく見ていきましょう。
1.ご相談・お問い合わせ
第一段階としては、内装工事を依頼する業者へ先生がお考えになっているコンセプトや物件について相談するところから始まります。
クリニックの内装工事といっても規模はさまざまです。スケルトン店舗の内装工事をすべて任せる、継承した医院の内装をリフォームするなど希望する依頼内容を伝えましょう。
2.現場調査
クリニック開業予定の現場の設備や寸法を確認するために現場を調査します。
クリニックを開業する周辺の環境などを把握することも、内装デザインに深く関わってきます。
3.クリニック内装のコンセプトをまとめる
内装のデザインコンセプトを統一することはとても重要です。クリニックのターゲット層と考えられる患者様に合わせた内装をイメージしてみましょう。
たとえば、ベージュやブラウンを使った内装からは穏やかな印象を受け、美容系のクリニックではグレーやピンクが好まれるといった傾向があります。
さまざまな角度から検討した内装デザインやレイアウトの全体像を描いて、プランへ反映させていきます。
4.クリニック内装プランを提案
クリニックにおいて受付、待合室、診察室、処置室などのレイアウトやスムーズな動線は、患者様の満足度に関わる重要な部分です。
そのために内装プランづくりと並行して進めておきたいのが医療機器の選定です。導入する医療機器のサイズや種類によって、クリニックのレイアウトは大きく変化します。
先生が考えられている理想に近く、設計・施工管理面から検討した内装プランとレイアウトを提案いたします。
5.イメージと予算を確認
平面図と詳細な見積もりを確認しましょう。クリニックの内装イメージは、患者様がクリニックを選ぶ際の重要な要素となっています。
最近では壁紙や床材、扉、椅子などの家具、照明などに統一感があり、清潔感を兼ね備えた内装デザインに人気が集まっています。
また予算の管理も重要です。内装工事費用は使用する建材や内装材の性能によって、同じレイアウトでも金額に開きがあります。
イメージに合ったデザインやレイアウト設計になっているか、準備した予算内に収まっているか確認しましょう。
6.内装施工会社の選定
納得のいく提案を受けられたら、内装施工会社との契約を進めます。
クリニックの開業にあたっては、保健所への事前相談が欠かせません。事前相談後の設備や構造に関わる部分の修正は開業の遅れにつながってしまいます。
開業へのスケジュールに沿って、契約から着工へ向けて進めることが大切です。
7.施工管理
工事中に出てくる問題への対応も、内装施工会社の大切な仕事です。
詳細な打ち合わせを重ねていても、現場の解体が進まなければわからない問題が現れることは十分考えられます。その都度、丁寧な説明と問題を解決しながら工事を進めていきます。
8.完了検査とお引き渡し
内装工事が完了すると、お客様立ち会いのもとで完了検査を行います。検査が無事終了後、お引き渡しとなります。
9.保健所の検査
管轄する保健所の監視員によって、提出した平面図通りに内装が仕上がっているかなどの「立入実査」を受けます。保健所の検査に合格すれば、いよいよ開業です。
クリニック内装施工会社を選ぶポイント
クリニックの内装工事の流れについて理解が深まったところで、次はクリニックの内装施工会社を選ぶポイントについて解説していきましょう。
クリニックの内装工事の依頼方法は2つある
クリニックの内装工事を依頼するには2つの方法が考えられます。
設計と施工を別々の会社へ依頼する方法
設計と施工を一括で依頼する方法
設計と施工の会社を分ける場合は内装デザインを設計事務所へ、工事は施工会社へ依頼します。また、設計者が社内に所属している会社へは一括での依頼が可能です。
設計事務所と施工会社を分けて依頼
設計事務所と施工会社を分けて依頼する方法は、どのようなクリニックに向いているのでしょうか。
クリニックの内装デザインのイメージがすでにはっきりしている場合には、専門性が高い設計事務所へ依頼すると満足いく提案を受けられます。
デザインの専門家であるため、壁紙や床材の知識が豊富で家具などのインテリアとの統一感も期待できるでしょう。
実際の施工は別の会社が行います。設計事務所へ依頼した場合には、施工会社を指定されることもあります。そうなると複数の見積もりを取ることができず、適正価格なのか判断がつきません。
また施工会社が指定されていない場合は、見積もりを複数取って検討する必要があります。一括で発注する方法と比べると工期は長く、費用は膨らむでしょう。
開業まで時間と予算に余裕があり、こだわりのクリニックを希望されている先生におすすめの依頼方法です。
設計と施工を一括で依頼
費用をできるだけ抑えたい、まだ内装プランが定まっていないという場合は設計と施工を一括で依頼する方法がおすすめです。
内装デザインと工事や設備の内容の打ち合わせを並行して進められるため、工期の短縮につながります。設計から施工管理まで担当が変わらないことも意思疎通を図りやすく安心できるポイントといえるでしょう。
しかし住宅が専門で、これまでクリニックの内装にあまり関わった実績がない会社はおすすめできません。見積もりが安いからといって決めてしまうと、クリニックならではの内装への理解が少なくスムーズに工事が進まないことも考えられます。
医療機関の内装施工実績が豊富
住宅や店舗の内装工事と違い、クリニックの内装では「専門性」が大きく関わってきます。
医療機器に対する知識が豊富であれば、設備導入へ向けて配線や配管工事もスムーズに行えるでしょう。
またクリニックならではの患者様やスタッフの動き、すなわち「動線」の確保も、開業後の患者様やスタッフの満足度を左右します。どれだけ医療機関の内装工事の実績があるか、これまでの実例を見て判断することも大切です。
打ち合わせやプラン・図面の提示
内装工事の打ち合わせでは、どうしても見積金額や内装デザインのイメージへ目が向きがちです。しかしクリニックの内装施工会社を選ぶポイントは、打ち合わせでもチェックできます。
- 見積もりは詳細な項目まで記載されているか
- 工事の項目の内容についてくわしく説明があるか
- 毎回打ち合わせのたびに変更内容が図面に反映されているか
- 伝えている内装コンセプトに基づいて提案されているか
- 保健所の審査基準を満たしているか
以上のような内容を打ち合わせでしっかり伝える施工会社には、安心して内装工事を任せられるのではないでしょうか。
まとめ
クリニックの内装工事の流れと施工会社を選ぶポイントについて解説してきました。
クリニックの内装は患者様やスタッフの満足度を左右する大きな要素です。
この記事を参考にして内装工事の流れを把握し、信頼できる会社へ内装工事を依頼してください。
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この記事の著者
フルサポクリニック編集部
医療、介護施設の設計施工を得意とする「FULLsupport」が運営。
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