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【科目別】クリニックの内装デザイン|患者様が心地よいと感じる空間づくりのポイント

循環器内科クリニックの内装床材2018519 (1)さこた内科・循環器内科様

病院やクリニックは人が集まってくる地域にはおのずとクリニックは集まります。経営の視点に立つと集患性に優位がある医療現場を作る必要もあります。。

集患性に優れているクリニックの条件として、立地はもちろんですが医療の現場ですから清潔感がある心地よい空間づくりが大事になります。

多くの患者様は不安を抱えて来院されますから、安心感を与えるクリニックづくりが「心地よい空間づくり」であるといえるのではないでしょうか。

この記事では、患者様がまた次もこのクリニックに来たいと思えるような、病院やクリニックの特徴についてデザイン面からお伝えしていきたいと思います。

*この記事は2019年3月6日にリライトしました。

    目次

クリニックの内装はおしゃれより安心できる空間づくりが重要

都島中通り歯科床材

近年インターネットも普及してきたことから患者様がクリニックを選ぶ時代となっています。そのため、患者様の満足度を高め、「また診てもらいたい」「来院したい」と思ってもらえることはより重要となってきます。

内装では何を意識すべきでしょうか。おしゃれな内装は患者様によっては喜ばれ、素敵なクリニックだと思ってもらえるでしょう。しかし、クリニックに来院する患者様は、治療や定期検診のために来られるので、多少なりとも不安に感じておられます。

そんな中、おしゃれさや華やかさを演出する内装が、患者様の緊張感を与えてしまうことがあります。その結果、「いつもより血圧が高くなった」「お医者さんに伝えたいことが言えなかった」などいつも通りに振る舞えないという現象が起きることもあります。

患者様が安心して過ごすことができ、居心地が良い場所だと感じてもらえること、医師に診てもらいたいところを診てもらえるということは、より多くの患者様の満足度を上げるためにとても重要なポイントになります。

おしゃれな内装を意識するのではなく、患者様視点で安心して過ごせる、リラックスできていつも通り振る舞える、そんな空間づくりを意識しましょう。

心地よい空間にするための内装のポイント

ここからは、具体的に安心できる空間にするためには、内装にどのような工夫をしていくべきか解説していきます。

待合室

患者様が最も長く滞在する待合室は、診察を待つための場所であり、待ち時間が長くなると患者様もイライラしてきます。そのため、待合室こそ安心してリラックスできる空間にしておくことが大切です。
工夫例を挙げると

  • 天井を高くする、壁との距離を確保するなどの工夫で圧迫感がなく開放的にする
  • 患者様同士の距離が近くなりすぎないようなスペースを広々と確保する
  • 窓から太陽の光を取り込み、明るい印象を与える
  • 待合室から診察室までの導線がスムーズになるよう配慮する
  • 具合が悪い方向けに、長椅子ではなく単脚ソファを準備しすぐに対応できるようにしておく

などが挙げられます。こういった1つ1つの工夫の積み重ねが、患者様の居心地の良さに繋がってくきます。

トイレ

医療機関にとって清潔感はとても重要です。中でもトイレは、そのクリニックの清潔感のイメージに直結します。トイレが清潔感に溢れ、快適に使えるだけでもクリニックの評価は上がり、患者様の満足度も上がります。
トイレの内装で意識できるポイントとしては、

  • ユニバーサルデザインにする
  • オート水栓の設置
  • ペーパータオルやハンドドライヤーの設置
  • 赤ちゃんのオムツ交換台の設置

などが挙げられます。

床材

床材も患者様の居心地の良さに関わってきます。おすすめは、塩ビタイルからタイルカーペットへの変更です。

塩ビタイルの硬い床材であれば、「病院みたい」「堅苦しい」といった印象を受ける方もいらっしゃいます。タイルカーペットであれば、歩き心地が柔らかく、その柔らかい印象がクリニックの印象にも繋がってきます。

照明

照明は、クリニックの印象を左右する重要なポイントになります。
例えば、受付に間接照明を設置することで、天井から跳ね返る光が優しく、温かい受付スペースになります。待合室から見た印象も、落ち着いた雰囲気を演出してくれ、閉塞感が軽減されます。また、照明の色についても、暖色系であれば、温かい、落ち着くという印象を与えることができます。
待合室・受付スペースは、患者様が長時間滞在することとなるため、暖色系の照明を採用すると居心地が良いと感じてもらえるでしょう。

壁紙や床の色

壁や床などの色もクリニックの印象に大きく影響します。
以前は白を基調とした内装のクリニックが多かったですが、白ばかりだと無機質なイメージで抵抗がある、緊張が高まるという患者様も少なくありません。最近では、白を基調としつつ、壁紙の柄やテーブル、小物などにオレンジ、緑、青などの色味を加えることで落ち着いた雰囲気を作り出すことができます。
また、差し色として温かみのあるパステルカラーを取り入れる、木目を基調とするなどの工夫をされるクリニックも増えています。
色が人に与える影響は様々で、作りたいクリニックをイメージし、使用する色を決定するのも良いでしょう。

丸みのあるインテリア

特に小児科・内科・耳鼻科などのお子様も来院するクリニックの場合、椅子や受付に丸みを持たせることは大切です。
子供が走り回って万が一ぶつかってしまった時に尖った角だと大変なことになってしまいますよね。
また、お年寄りが転んでしまった時や、体調が悪くふらついてしまう時など、病院にいらしている人は何らかの体調不良を起こしているのでこれも日本人特有の思いやりだと思います。

【関連記事】また来たくなるクリニックの内装でよく使う心地よく感じる色彩提案

▼ スタッフにとっても心地よい空間か

芦屋さくらメンタルクリニック 内装 (8)芦屋さくらメンタルクリニック様

患者様に選ばれるクリニックにするためには、働いているスタッフにとっても心地よい空間にしておく必要があります。

スタッフは毎日その場所で働くことになりますから、居心地のいい職場でなければ、患者様に対して良い対応をすることはできません。

特に無駄な動きをすることなく、最小限の行動だけで作業できることがポイントです。

クリニック内では、医師との連携を密に図る必要がありますが、どのような動線にするかを計画しておくことで無駄を排除することができます。

また患者様の動線とスタッフの動線を別にしておくことで、スムーズに作業に取り掛かることができるようになります。狭すぎてもダメですが、広すぎても良くありません。

クリニックのデザインといっても、科目ごとにクリニックの特徴が変わってきますから、その科目に合わせてデザインしていくことが大事です。

どのようにクリニックをデザインすればいいのか、そのポイントをご紹介していきます。

▼ 内科クリニックのデザインのポイント

あつた内科と痛みのクリニック 内装2017.10 (3)あつた内科と痛みのクリニック様

内科に来院される患者様は基本的に大人ですから、また次にクリニックに受診する必要があるときには、このクリニックに来ようと思えるような、明るく落ち着いた雰囲気づくりを行います。

クリニックですから白を基調とした空間づくりにはなりますが、白が多すぎると落ち着いた空間と感じることができず、逆に緊張感や不安を与えてしまう空間になってしまいます。

派手さは必要ありませんが、清潔感を感じる色合いにし、窓を大きく開放的で照明にも配慮すると印象が良いです。また待合室では患者様同士が近くなりすぎないようスペースを確保できるほうが落ち着きます。

待合室には長椅子が活用されることが多くありますが、具合が悪い方には単脚ソファでの対応ができるようにしておき、座り心地もこだわっておくだけでも、居心地のいいクリニックだと評価されるようになります。

待合室から診察室までの動線には配慮しておき、お体の不自由なご高齢者でも楽に診察室に入れるように計画しておきます。診察室は防音にしておくことで、プライバシーにも配慮することができますから、安心して受診していただくことができます。

内科クリニックの内装施工事例はこちら

【関連記事】内科クリニックの内装設計に重要な考え方やポイント

▼ 皮膚科クリニックのデザインのポイント

プライベートスキンクリニック美容外科、美容皮膚科20180406 (1)医療法人優聖会 プライベートスキンクリニック 梅田本院様

皮膚科クリニックは、保険診療を行うクリニックと自費診療主体のスキンケアクリニックによってまったくコンセプトが違いますのでデザインも変わってきます。

ただ最近では、保険診療のクリニックにおいても美容目的とした来院も多くなっています。学生から主婦、中高年の方まで幅広くカバーできる内装にしておくことがポイントです。

女性が喜ばれるゆったりと落ち着けるソファ、化粧がゆったりとできるトイレスペースなどによってリピーターを多く獲得し、低い報酬単価を補うことができるのです。

レーザー治療や光線治療を行う場合には、電気容量がたいへん大きくなってしまうので配慮して計画をしておくことが大事です。また皮膚の焦げたにおいが立ち込めてしまいますので、処置室の換気には十分配慮し、清潔感のある空間を作り出せるようにしておきましょう。

スキンケアクリニックの場合であれば自費診療が中心となり、お客様にとっては大きな出費を伴うことが多くなります。

そのため個室対応が必須となり、プライベートサロンとして精神面においても大きな満足を与えられるようにしておかねばなりません。メイクルームも余裕を持たせた落ち着いた空間であることは重要です。

皮膚科クリニックの内装施工事例はこちら

【関連記事】
皮膚科・アレルギー科・形成外科、美容外科の内装設計に重要な考え方やポイント

▼ メンタル(精神科、心療内科)クリニックのデザインのポイント

兵庫県明石市いのうえメンタルクリニック受付カウンターいのうえメンタルクリニック様

精神科や心療内科は、比較的長期間にわたって受診される方が多いために、また受診しようと思えるような内装にしておくことが大事です。

清潔感はもちろん大事ですが、閉塞感や拘束感が感じられないようにデザインすることが必要で、開放感のある雰囲気づくりを行うことで、いわゆる精神科や心療内科のイメージをなくしていくことが可能です。

長期間にわたって受診されている方にとっては、待合室での雰囲気は特に大事で、窓からの景色や光の変化を感じられるようにしておくことで、毎日の生活リズムを構築していくことができます。

プライバシーに関しても配慮しておく必要があります。患者同士が目を合わさずに落ちついて過ごせる待合室にしておくことで、気兼ねなく次回の受診に行く気持ちになることができます。

また精神科や心療内科では、高齢者の患者様の割合が増えているため、身体が不自由な患者様のためにバリアフリー設計はもちろんのこと、車いす対応、使い勝手の良いトイレ、手すりの設置など隅々に配慮が必要になってきます。

心療内科クリニックの内装施工事例はこちら

▼ 小児科クリニックのデザインのポイント

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小児科クリニックのデザインは、まず子供目線で考えることが大事で、子供が治療まで待てる工夫やまた来たいと思えるような配慮を行うことが大事です。

大人と子供ではクリニック内の見え方や雰囲気の感じ方は全く違います。もしも初めての受診でトラウマになってしまうような経験をしてしまったら、診察を受けることが怖くなってしまうかもしれません。

大人は待合室でじっと待つことができますが、子供にとっては苦痛でしかありません。そのため子供も楽しみながら診察を待てるように、おもちゃや絵本などを備え付けておく必要があります。

また子供が走り回って転んだとしてもケガしにくいように、クッションフロアを用いるようにし、素足で過ごすことができるようにしておきます。また床暖房を入れておくと寒い冬でも快適に過ごすことができます。

また小児科クリニックには、子供と同じ人数の大人も来院します。大人にとっても居心地のいい空間にしておくことが大事です。子供用のいすなどはすべて低く小さいものになりますが、大人が活用しても落ちついて過ごせるように配慮します。

受付にはベビーチェアを設置しておき、入り口にはバギー置き場を備え付けておくと、大人の方にとってとても利便性が高いですので好感度の高いクリニックと評価されます。

内装デザイン全般としては、保育所や幼稚園の雰囲気を参考にして、白を基調として黄色やオレンジを多く活用した内装にして清潔感や躍動感を感じることができる空間づくりを目指します。落ち着いた安らぎのイメージを表すのであれば、緑や青を活用するといいでしょう。

小児科クリニックの内装施工事例はこちら

▼ 産婦人科(レディース)クリニックのデザインのポイント

大阪市あゆみ皮膚科クリニック様内装20171101 (7)医療法人宇野医院分院 あゆみ皮膚科クリニック様

近年は晩婚化の傾向があるために、出産時期においても高くなってきています。またそのような傾向から不妊治療などに取り組むご夫婦も増えています。

来院される患者様はとても多く、快適な空間づくりがとても重要になってきます。

特に患者様の多くは不安と期待が入り混じった感情をお持ちであるために、アットホームで落ち着ける雰囲気の中で受診できるよう配慮しなければなりません。

待合室のいすやソファのデザインは重要で、リラックスできる色合いにしておくことも大事です。

天井の高さも高めにするなど開放感を感じられる空間にできるといいですが、制限があるような物件である場合であれば、照明での演出やミラーなどを使用して、心豊かになれる演出を行います。

また来院されるのは出産される女性だけではなく、ご主人やご両親なども考えられますので、家族すべてが満足できるようなデザインにする必要があります。そのため新生児室についても雰囲気づくりが大事になります。

またクリニックで働くスタッフのために、動線をできる限り短くしておき、効率的に業務を行うことができるように配慮します。

ナースステーションは新生児室に隣接させ、常に監視することができ、緊急対応しやすいようにしておきます。患者様とスタッフの動線を分けておくことも大事です。

▼ 整形外科クリニックのデザインのポイント

しみず整形外科クリニック内装 (4)しみず骨粗鬆症・整形外科クリニック様

整形外科は高齢化社会に伴って、ご高齢者の患者様がどんどん増えており、リハビリに対応したクリニックが増えてきました。またスポーツによる疾患に特化するなど、他の医院との差別化を考えるクリニックも増えてきました。

整形外科においてリハビリ室を設け、特掲診療科として適合させていくためには、一定以上の広さを有したリハビリ室にしなければなりません。リハビリ室に、さまざまなリハビリ機器を設置する場合であれば、重量や大きさに配慮した設計を行う必要があります。

来院される患者様は高齢者が多く、杖や歩行器を用いた歩行や車いすの方もかなり多くいらっしゃいます。再診の場合であれば、診察ではなくリハビリ目的での通院の方も多くなりますので、動線に配慮した設計に心がけるようにします。

毎日来院される患者様の数は大変多いために、スタッフの人数も多くなります。そのためある程度の広さを有しておかないと、とても窮屈なクリニックとなってしまいます。スタッフの動線にも支障をきたしてしまいます。

待合室から、「診察」「検査」「リハビリ」を円滑に行うことができるように配慮したデザインを行うといいでしょう。患者様が身体をのびのびと動かすことができることで、治療やリハビリに専念することができるようになります。

整形外科クリニックの内装施工事例はこちら

■ まとめ

患者様に選んでいただけるクリニックについて、科目ごとにその特徴をお伝えしました。

どの科目のクリニックにおいても、来院される患者様が落ち着いて過ごすことができるように配慮したデザインにしておくことが必要です。不安を抱えて来院されているわけですから、少しでも居心地のいい雰囲気にしておくことで、次もここに通院したいという気持ちになれるのです。

そのために各科目に応じたデザインを行うことがとても大事になってきます。病院のコンセプトを大事にして、どのような診療を行ってくのか、どのような医療設備を整えていくのかなどをはっきりさせることで、デザインの方向性も決まってきます。

当社ではクリニックを開業されるドクターのために、しっかりとヒアリングを行ったのちに、各科目の特徴を活かし、病院のコンセプトを大事にしたデザインを行います。

患者様だけではなく、スタッフ全員がいきいきと働くことができるような空間づくりを行います。患者に選ばれるクリニックづくりは当社にお任せください。

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この記事の著者

フルサポクリニック

フルサポクリニック編集部

関西エリアでのクリニック実績多数!
医療、介護施設の設計施工を得意とする「FULLsupport」が運営。
当サイトではクリニックにまつわる設計や内装工事にまつわる記事を随時更新中

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