調剤薬局の内装工事の費用相場と注意したいポイント
調剤薬局の内装は、患者に快適な環境を提供するだけでなく、薬局のブランドイメージやスタッフの働く意欲にも影響を与えます。
特に最近では、薬局の内装による差別化も進んでおり、デザインやスタイル面を重視した内装工事への提案も増えているところです。
そこで今回の記事では、調剤薬局の内装費用相場についてご紹介したうえで、コストと品質のバランスを追求するために必要なポイントを紹介します。
調剤薬局の内装工事費用にかかわる要素とは
調剤薬局にかかわらず、店舗の内装工事費用はさまざまな要素の組み合わせで決定します。
そのなかでも、工事費用に大きくかかわる要素について説明していきましょう。
店舗の広さや立地
調剤薬局の広さや立地によって、内装費用は異なります。
たとえば、ショッピングモールなどのビルの3階にある物件と、前面道路からフラットな戸建て物件では内装工事の費用が大きく違ってきます。
路面店舗(前面道路からフラットな店舗)では、搬出や搬入を考えても工事をしやすく、1日の工事時間も長く取れます。
しかし、商業施設内や医療ビルでの工事となると、作業できる時間が限られるなど制限が多くなることが多いです。
他店舗との関係で、夜間しか作業できない場合には、一定の時間帯に作業員を確保しなければならず、それだけ費用がかかることになります。
素材の選択
次に、壁や床の素材、家具、照明などの選択によって、内装費用は大きく変動します。
調剤薬局は近年、内装によって差別化が図られる傾向にあり、患者さんの層や近隣の医療機関の診療科目に応じてラグジュアリーな空間を演出することも増えています。
選択する素材によって大きく費用が異なりますが、その分、費用を調整しやすい要素であるともいえるため、当店では適切なアドバイスを心がけています。
インテリアやデザイン
インテリアのデザインが複雑になったり、オリジナリティを追求したりすることによっても、内装工事にかかる費用は膨らみます。
デザインにこだわりがあるなどで、設計と施工を分割して発注すれば、複数の会社を介するために費用は自然と増えてしまいます。
したがって、できるだけ費用を抑えたい場合は、設計から施工まで一貫して対応している会社への発注がおすすめです。
下記記事にて調剤薬局の内装デザインについて詳しくご紹介していますので、是非あわせてお読みください。
設備と機器
調剤薬局の業務内容によって、必要となる設備や機器は異なります。
たとえば、無菌調剤室を設置するとなると、その分のコストがかかります。
また、薬品棚や冷所保存用の冷蔵庫、分包機の台数などによっても大きく費用が変わります。
法律で定められている設備以外に、調剤のために必要となる機器の適切な選定が大切です。
調剤薬局の内装工事費用の相場
一般的な調剤薬局の内装工事費用の相場は、以下のとおりです。
小規模な薬局 | 20〜50万円程度で、基本的な内装や必要設備を揃えられます。 |
---|---|
中規模な薬局 | 50〜100万円程度で、より高品質な素材やデザインを取り入れた内装が可能です。 |
大規模薬局 | 100万円以上の費用がかかりますが、高級な素材やオリジナリティのあるデザインなど、こだわりの内装に仕上がります。 |
調剤薬局の内装工事における注意点
調剤薬局の内装工事を依頼する際に注意したいポイントがいくつかあります。
調剤薬局は、処方箋を必要とする医薬品を取り扱っているため、内装工事後には保健所の審査を受けなければなりません。
調剤薬局についての内装ルールが、万が一守られていなければ、保健所から指摘を受けて改修工事をするなど、開局時期にもかかわる大きな問題となってしまいます。
では、どうすればそのような事態を避けることができるのか解説していきましょう。
規制や法令を遵守しなければならない
薬局には大きく分けて
- 調剤室
- 受付
- 投薬カウンター
- 待合室
- スタッフルーム
- その他設備
があります。
たとえば、薬局の心臓部ともいえる調剤室には、以下のような広さや高さの基準が定められています。
- 天井高が2.1m以上
- 間口、奥行きは1.3m以上
- 調剤室の面積は6.6m2以上(薬剤師2人は9.9m2以上、3人以上は1人当たり3m2程度を確保する)
他にも、調剤室を通り抜けられる構造は認められておらず、床材は板張りやコンクリートなど衛生状態を保てる素材を使用しなければなりません。
さらに、薬の取り扱いの透明性を確保するため、患者さんをはじめとした来局者から調剤室内が見える「透視面」を設けることも定められています。
このように、調剤室だけでも遵守しなければならないポイントがたくさんあることを、あらかじめ知っておきましょう。
医療機関における内装工事の実績のある業者へ依頼する
調剤室だけではなく、カウンターや待合室の広さなどにも定められている規則はたくさんあります。
そのため、工事を依頼する際には、店舗の内装工事の実績だけでなく、医療機関の内装工事実績があるかどうかにも目を向けることが重要です。
医療機関での工事実績が多い工務店は
- 調剤薬局の内装工事において守らなければならない法律や審査基準、指導基準にくわしい
- 行政機関(保健所・厚生労働局など)への手続きや流れを把握している
- 調剤薬局のなかでの動線について最適な流れを提案できる
- 医療機関における最新の内装トレンドについてくわしい
という頼もしい特徴がたくさんあります。
調剤薬局の開局やリフォームは、一つ一つクリアしていかなければならないことが山積するのを考えると、経験値の高い工務店への相談や発注がおすすめです。
工事会社とのコミュニケーションを大切に
内装というのは、イメージしていたものと仕上がりが異なってしまう可能性があるものです。
ですから、工事を依頼する側と請け負った業者とのコミュニケーションがとても重要です。
設計と施工を別々の会社へ発注してしまうと、開局へ向けての忙しい時期に打ち合わせの頻度が高くなってしまう可能性があります。
デザインをはじめ、インテリアや内装・必要な設備を計画するところから、施工まで一貫して依頼できる工務店では、打ち合わせの回数を減らせることは間違いありません。
またこれまで工務店が手掛けたなかで、似たようなイメージと考えられる薬局を見学できるといった点でも、内装イメージについてスムーズに話が進むのではないでしょうか。
薬局の内装品質とブランドイメージ
調剤薬局の内装の品質やデザインは、薬局のイメージや信頼性に直結します。
快適で清潔な環境は、患者の満足度を高めるとともに、リピーターを増やす大きな要素です。
法律や施設基準を守ったうえで、できるだけ費用を抑えつつ、コンセプトどおりの内装を完成させる。
そのためには、これまでの経験と知識を持ち合わせた工事会社への依頼が最適だと考えます。
まとめ
調剤薬局の内装費用は、薬局の規模、選択する素材やデザイン、必要な設備などの要素によって大きく変動します。
また調剤薬局の内装には、医師の処方箋が無ければ患者さんへ投薬できない医薬品を多数取り扱うことから、厳しい基準が定められています。
患者さんが安心して薬を受け取れることを大前提として、地域を代表する薬局としてのブランドイメージをプラスできるような、信頼できる工務店へ依頼することがおすすめです。
フルサポクリニックは数多くのクリニック内装を手がけた実績があります。
分からないことも気軽に聞ける安心サポート体制により、不明点やご不安をクリアにすることができます。調剤薬局の内装工事・設計はぜひフルサポクリニックにご相談ください。
【関連記事】
【地域連携薬局の基準】内装で押さえておきたいポイント
調剤薬局のリフォームで注意すべきポイントと専門業者に依頼するメリット
この記事の著者
フルサポクリニック編集部
医療、介護施設の設計施工を得意とする「FULLsupport」が運営。
当サイトではクリニックにまつわる設計や内装工事にまつわる記事を随時更新中