歯科医院の内装工事にかかる費用相場と必要な設備
歯科医院を開業する予定だけれど、内装工事にどのくらい費用がかかるのだろうかと考えていらっしゃる先生は少なくありません。
そこで、今回の記事では歯科医院に必要な設備や内装デザインにこだわる理由、そして費用相場についてご紹介していきます。
歯科医院がなぜ内装デザインにこだわるのか
歯科医院がおしゃれな内装にこだわる理由は、クリニックを訪れる患者さんに居心地の良い空間を提供するためです。
歯科クリニックでの治療は、ほとんどの人にとってストレスがかかります。
そのため、待合室や診察室の雰囲気をよくして、リラックスすることが良質な治療につながります。
歯科医院も内装デザインで選ばれる時代に
以前の歯科医院といえば、白が基調で清潔感を前面に出した内装デザインがほとんどを占めていました。
しかし、現在では座り心地のいいソファや、待ち時間に仕事ができるカウンターなどが用意されているクリニックも増えています。
同じ治療を受けるのであれば、それまでの時間を有効かつ寛いで過ごしたいものです。
また、内装デザインにこだわることで、診察室の機能の向上にもつながります。
歯科では仰向けで治療するため、光のまぶしさへの配慮は欠かせません。
さらに、音響システムの導入によって、治療時の医療機器への抵抗を減らすこともできます。
歯科医院の内装デザインのトレンドとは
■自然をイメージする素材の活用
木材や調湿機能で話題の珪藻土など、自然由来の素材を使った内装が注目を集めています。
色調も自然と落ち着くアースカラーが好まれる傾向です。
観葉植物やウォールプランツなどもレイアウトすると、患者さんは治療を受けるまでの時間をリラックスして過ごせます。
■ターゲット層に特化する
一般的な歯科の疾患(う歯や歯周病など)を扱うクリニックと、主に矯正や審美領域に力を入れている歯科医院では、内装デザインのコンセプトが大きく異なります。
美しく健康な歯を手に入れたいと考えている審美歯科では、白を基調とした清潔感と高級感を兼ね備えた内装が好まれます。
また、LED照明を配置した明るく歯の美しさを際立たせる演出も効果的です。
一方、一般歯科の患者さんは、不安や痛みを抱えて通院するため、治療前にいかにリラックスできるかが治療の質にも影響します。
ゆったりとした座り心地のいい椅子や、穏やかでやさしい質感の床や壁材の使用をおすすめします。
歯科医院に必要な設備
歯科医院には、患者さんが快適に治療を受けるための設備が必要です。
患者さんが治療を受ける際だけでなく、治療の前後にも最適な場所や機器などがそろっていると、スムーズな治療につながります。
歯科医院の場所別に必要な設備を紹介していきましょう。
診察室
歯科医院の診察室では、医師や歯科衛生士が治療しやすい位置に必要な機器をレイアウトすることが重要です。
大きな設備としてあげられるのが、ユニットと呼ばれるテーブルとチェアがセットになった機器です。
治療に必要な医療機器としては
・コンプレッサー
・レントゲンやCT
・オートクレープ(滅菌器)
・根管治療器具
・プロフィーラー(歯のクリーニング機器)
・光硬化器(歯を硬化させるための装置)
などが挙げられます
また、治療に必要な医療機器以外にも、荷物置きなど患者さんの気持ちに寄り添った設備を準備するようにしましょう。
待合室
待合室は、患者さんが治療を受ける前に過ごす場所であり、院内の印象に大きくかかわるスペースです。
最近の歯科医院では、待合室が快適な空間であることに力を入れた内装が目立っています。
清潔感はもちろんのこと、座り心地の良いソファやおしゃれなテーブル、テレビなどが置かれていることが多いです。
また、最近ではWi-Fiが利用できる環境や、ウォーターサーバーでいつでもおいしい水が飲めるなど、患者さんがリラックスできるような工夫を取り入れている歯科医院が増えています。
受付・会計窓口
受付は、来院した患者さんが最初に向かう場所であり、予約の確認や問診票の記入、保険証の確認などが行われます。
また、治療後には次回の予約の調整や院内処方の場合には処方薬の投与、院外処方では処方箋が交付されます。
次回予約のためのカレンダー、レジ、コピー機などが必要です。
最近では、マイナンバーカード保険証に対応した機器や自動精算機の導入も進んでいるため、新規開院やリフォームの際には検討をおすすめします。
クリーンルーム(洗口コーナー)
クリーンルームは、治療の前に患者さんがうがいや手洗いをする場所です。
口の中を人に見せる前には、なるべくきれいにしておきたいものです。
滅菌器や洗浄器具などの他にも、歯科医院としておすすめするマウスウォッシュや歯間ブラシなどのサンプルが置かれている場合もあります。
感染症予防や清潔な状態を保つことが院内のイメージにもかかわるため、定期的な清掃が必要です。
歯科医院に必要な設備は、この他にもたくさんあります。
たとえば、スタッフの休憩室や更衣室、スタッフ・患者さんそれぞれ用のトイレも必要です。
歯科医院全体として患者さんから快適な空間と感じてもらうためには、設備の整備には特に力を入れるべきでしょう。
歯科医院の内装工事にかかる費用の相場
歯科医院の内装工事の費用相場は、坪単価40万円〜100万円が目安とされています。
歯科医院の内装工事の特徴として
・ユニット周りや医療機器の設置に伴う電気工事も必要
・個室タイプの診察室では空調工事が膨らむ
・CTの導入が増えている
ことが挙げられます。
また、内装工事はテナントなど物件の状況によって工事のボリュームが大きく変動します。
内装工事にかかる費用を正確かつ詳細に把握するためには、工事業者や設計事務所の現地調査後に見積を依頼することが必須です。
歯科医院の施工会社の選び方
歯科医院の内装工事業者を選ぶ際のポイントは3つあります。
・物件の状況や医院のコンセプトに応じた対応ができるのか
・設計から施工まで担当できるのか
それぞれについて解説していきます。
歯科医院やクリニックの内装工事実績
一般住宅や店舗と比べて、医療機関である歯科医院は守らなければならない法律や届け出、検査がたくさんあります。
一つタイミングがずれたり、順序が逆になったりするだけで、予定している日に開院できないことになりかねません。
そこで重要なのが、歯科医院や別の診療科での内装工事実績です。
必要な医療機器や手続きを理解しているからこそ、工事会社からのアドバイスも期待できます。
今までの実績を必ず確認して、内装工事を依頼するのがおすすめです。
物件の状況や医院のコンセプトに応じた対応
先ほども述べたように、歯科医院の内装工事費は開院を予定しているテナントや物件の状況によって大きく異なります。
また、先生自らがお持ちになっている、理念やコンセプトをいかに内装デザインに反映できるかという点も重要です。
ソフト面でもハード面においても、柔軟な対応ができる工事会社を選ぶようにしましょう。
設計から施工までの担当
歯科医院の内装工事を発注する場合には、2種類の方法があります。
・設計も施工もできる会社へ依頼する
歯科医院を開院する際には、各種届け出や保健所の検査などさまざまな業務に追われ、考えている以上に忙しいのが現状です。
設計から施工まで対応できる会社であれば、打ち合わせ回数も少なくて済み、開院までの時間も短縮できます。
まとめ
歯科医院に必要な設備と費用相場、そして最近の動向について見てきました。
初めての開業は先生にとっても慣れないことが多いため、施工実績の多い会社に任せるのがおすすめです。
フルサポクリニックは数多くのクリニック内装を手がけた実績があります。
クリニックの設計・リフォームなど、先生のこだわりと患者様の安心できるクリニックづくりへ向けてアドバイスさせていただきます!ぜひ一度ご相談ください。
この記事の著者
フルサポクリニック編集部
医療、介護施設の設計施工を得意とする「FULLsupport」が運営。
当サイトではクリニックにまつわる設計や内装工事にまつわる記事を随時更新中