クリニックや歯科の賃貸物件で原状回復工事にかかる費用や相場
*この記事は2019年2月21日にリライトしています。
クリニックを賃貸物件で開業していて移転や体調不良などを理由に閉院する場合、内装造作物の原状回復をしてから退去することが契約となっていることが多いものです。
この原状回復にあたり工事の範囲や内容について工事前にやっておくべきことをまとめます。
▼ 原状回復工事の範囲は契約時の内容を確認しましょう
原状回復とは、テナントの賃貸契約を解消して退去するとき、内外装を契約時に取り決めた状態まで戻すことです。
テナントの原状回復工事の範囲や程度は、それぞれの契約内容に応じて変わります。
クリニックの場合は事業者同士の賃貸借契約となりますのスケルトンで借りた場合も居抜きで借りた場合でも契約書に「退去時はスケルトン戻し」と定められていることが多いのではないでしょうか。
住居として賃貸住宅を退去するときは、経年劣化や通常の使用による損耗の工事費用は、毎月の家賃で負担されていると考えます。
しかし事業用の賃貸物件は事業用に内装を作りこんでいますので現状回復の範囲は作ったものすべてと考えることが一般的です。医療ビルの場合はある程度残すという選択肢もあるでしょう。
▼ 原状回復工事に必要な工事項目
原状回復工事には、店舗の解体工事、修繕工事、設備工事が主な項目です。
●解体工事
内装、造作物の解体工事を最初に行い、クリニック内の装飾や設備などの造作物を撤去します。
●修繕工事
解体工事が終わったら、床・壁・天井など残した部分、またはスケルトンになった部分の修繕が必要となった個所を綺麗な状態にします。構造体の修繕があればそれも行います。
●設備工事
解体でむき出しの状態になった電気配線を、漏電・ガス漏れなどの不具合がないか整備する工事を行います。
▼ 原状回復にかかる費用や相場
原状回復工事でトラブルになる例として解体してはいけない部分を撤去してしまったり、必要な配線を切って他のテナントに損害を与えたりする場合です。
何社か相見積もりを取る場合は対応や費用を比較検討しトラブルを事前に回避するよう努めましょう。また、物件のオーナーに原状回復の範囲を確認することも忘れてはならない項目です。
原状回復をどこまでやるのか、その費用は誰が負担するのか、という区分を比較検討した業者も含めて打ち合わせを事前に行う必要があります。認識の食い違いを防ぐことで予定外の出費を食い止めることもできます。
弊社での原状回復の費用はおよそ坪単価2万から3万円程度が平均的となっています。
物件オーナーと負担区分をあらかじめ確認しておかないと、原状回復工事完了後にトラブルが起こったり、追加工事を発注しなければならなくなった場合、支払わなくてよかった工事費用が発生してしまいます。
医療ビルなどの場合、交渉により造作譲渡という形で売却が可能というケースもあります。造作譲渡できれば、解体工事費用を支払わず、かつ売却益まで取得することも可能となります。
【関連記事】
・高い?安い?クリニック内装費の見積りに疑問を感じたら
▼ 物件オーナーとの打ち合わせ
物件オーナー(管理会社)との原状回復工事の確認には、原状回復工事業者や、居抜き売却業者、など関係者の立ち合いのもと行うことで聞いた聞いていないなどのトラブルを回避する有効な手段です。
原状回復工事に限らずトラブルの元になるのは「言った・言っていない・聞いてない」といった食い違いから起こるものです。
■ さいごに
原状回復工事においては認識が違うためにしばしば、トラブルが発生することがあります。
トラブルになる前にきちんと準備のできる業者の選定を行い、不快な気持ちや現物としての損を発生させないように準備をすることが大切です。
原状回復工事が必要な際には正しい手順と準備を行うフルサポクリニックにお声を掛けて頂ければ幸いです。大阪、京都、神戸、奈良、兵庫など関西エリアで迅速に対応致します。
この記事の著者
フルサポクリニック編集部
医療、介護施設の設計施工を得意とする「FULLsupport」が運営。
当サイトではクリニックにまつわる設計や内装工事にまつわる記事を随時更新中