病院・クリニック内装のデザインはまた来たくなるポイントを押さえよう
患者様が積極的にクリニックや病院を選ぶ時代となった今、「また来たい」と感じてもらうことがとても重要になっています。
そこで今回の記事では
・また来たくなるクリニックの特徴
・内装デザインのカラーの重要性
・クリニックの内装デザインで意識したいポイント
について解説していきます。リピート患者様を増やす方法がたくさん盛り込まれた内容となっていますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
また来たくなるクリニックとは
初めてクリニックを受診する場合は、「知人からの紹介」や「自宅や勤務先から近い」「口コミを検索する」などが理由として挙げられます。
では、継続して通うクリニックとして選ばれるにはどのような要素があるのでしょうか。共通して見られるポイントをご紹介していきます。
先生やスタッフに好感が持てる
不安や辛い症状を抱えて受診するクリニックでは、いつも以上に「どう接してくれるか」が気にかかります。温かくホスピタリティにあふれた接遇は、考えている以上に患者様の印象に残るものです。
受付スタッフはもちろん医師である先生も、患者様の症状だけではなく気持ちに寄り添う診察スタイルを取り入れることがとても大切です。
居心地のいい空間
クリニック経営は究極のサービス業です。医療サービスの提供が本質とはいえ、それだけでは患者様の満足度を上げることが難しいのが現状でしょう。
心身に不調を抱えている患者様は、エントランスからのアプローチ、快適な室温調整、案内のわかりやすさなど、穏やかな気持ちで過ごせる空間に「居心地の良さ」を覚えます。
手厚い接遇と快適な空間の相乗効果によって「また来たい」という気持ちが患者様に芽生えます。
待ち時間が短い
どれだけ診療内容や接遇が良くても、待ち時間が長いクリニックは患者様にとってマイナスイメージが強くなりがちです。
リピート患者様が多いクリニックは、待ち時間を減らすための対策を常に考えています。
また、実際の待ち時間を短縮する以外でも、患者様がストレスを感じずに待てる環境づくりも大切です。
内装デザインはカラーが重要
「また来たくなる」クリニックを計画する際には、内装デザインのカラーに注目してみましょう。
ひと昔前まではクリニックの色といえば清潔感を求めた「白」が採用されていました。無味乾燥なイメージの色づかいは、患者様に冷たい印象を残してしまいがちです。
「また来たい」と感じてもらえる色合いについて紹介していきましょう。
色の持つイメージ
クリニックの内装デザインを考えるうえで、色はとても重要な要素です。
色にはその色が持つイメージがあります。暖色系、寒色系、アースカラーに分けて色が持つ印象を解説していきましょう。
暖色系
赤やオレンジ、黄色などの暖色系の色は、太陽を思わせる明るいイメージがあります。親近感がわきやすく、アットホームな雰囲気が特徴です。
また、内装に暖色系の色を使うと心が穏やかになり、安らぎを感じます。
寒色系
青や青緑、水色などの寒色系の色からは水や空をイメージしやすいです。心を落ち着けて緊張感をほぐしてくれる効果があります。
鮮やか過ぎる寒色系は頭を冴えさせる効果があるため、彩度が低い色がクリニックの内装にはおすすめです。
アースカラー
地球の大地や植物などのナチュラルなものをイメージした色を、アースカラーと呼びます。
具体的にはベージュなどの茶系、カーキなどのグリーン系の色がアースカラーです。ストレスを感じたときの鎮静作用や、やさしさを感じさせる色として人気があります。
ターゲット層に合った内装カラー
内装デザインのカラーを決める際に重要となるポイントは、クリニックのターゲット層に合っているかどうかです。
高齢者、ファミリー層、美容系に分けて、それぞれにおすすめしたい色を紹介していきましょう。
高齢者向け
木々や森林浴などをイメージできるグリーン系の色は、「安心感」「穏やか」な空間づくりに最適です。
高齢の患者様が多い郊外のクリニックでは、周囲の環境との相性もよく、好まれる傾向にあります。
また、高齢者向けの内装デザインを考える際に注意したいのが、視認性です。色は組み合わせによって見やすさに違いが生じます。
明るさ(明度)の差が大きいほどはっきり見えるため、注意を促したい場所や案内には視認性が高い組み合わせを取り入れるようにしましょう。
ファミリー層向け
ファミリー層が多いクリニックでは、アースカラーと暖色系の色の組み合わせがおすすめです。ぬくもりを感じられる、まるでリビングのようなイメージの空間に仕上がります。
緊張している子どもさんも、明るい色合いを目にすると安心して診察に臨めるのではないでしょうか。
若い女性層向け
自由診療が多い美容系のクリニックでは、他の診療科と比べると年齢層が若く女性が多いことが特徴です。
清潔感のあるホワイトを基調として、部分的に寒色系やピンクなどのパステルカラーを使うと親しみやすく上品な空間に仕上がります。
また来たくなる内装デザインで意識したいポイント
「また来たくなる」クリニックの内装デザインを考える際には、色を使いこなすことが大切です。
その上で、患者様の満足度をアップさせるのに効果的な場所や設備について解説していきましょう。
居心地のいい待合室
来院された患者様が一番長く過ごすのは、待合室です。診察前は不安を抱えて緊張し、診察後は早く帰りたい気持ちを抑えつつ会計を待つ空間になります。
待合室の居心地がいいと、「体感的な待ち時間」が短く感じられてストレスが軽減されます。広めの窓や高い天井、圧迫感のない椅子のレイアウトなどの内装の工夫で、リラックスできる待合室を作り、患者様に「また来たい」と感じてもらいましょう。
バリアフリー化
来院される患者様の動きをシミュレーションして、バリアフリーについて考えることも大切です。
クリニック入り口までのアプローチから、受付、待合室、診察室、処置室など、患者様が移動するスペースに少しでも段差があるとストレスになってしまいます。また、スロープには握りやすい手すりと滑りにくい床材を採用すると安心です。
バリアフリー化を考える際に注意したいのが受付カウンターの高さです。車椅子に座ったままでも手が届く高さのカウンターを必ず設置しましょう。
清潔感のあるトイレの仕様
清潔感が基本となるクリニックにとって、トイレの仕様を充実させることは患者様の満足感に直結します。
・車椅子や介助者もいっしょに入れる広さ
・自動洗浄
・手洗い水栓や石けんの自動化
・おむつ交換台の設置
・ペーパータオル
・荷物置き場
・出入り口はプライバシーに配慮する
などが快適なトイレの条件として挙げられます。
また、掃除しやすい壁紙や床材を採用することで、スタッフの負担軽減と清潔感の維持を両立できます。
スムーズな動線
患者様だけでなく、スタッフにとってもスムーズな動線はクリニックの効率を上げてストレスを軽減します。
来院された患者様にとってわかりやすい動線は、スタッフが案内する時間を短縮できるだけでなく、患者様自身の安心感にもつながります。
人と人ができるだけ交わらない動線があるクリニックは、利便性が高くまた来たいと思えるのではないでしょうか。
まとめ
今回の記事では、「また来たくなる」クリニックの内装デザインについてご紹介しました。不安や症状があって来院される患者様は、いつも以上にストレスを感じやすい状態にあります。
ご紹介したように、院内の内装カラーやデザインを見直すことで、居心地のいいクリニックを作ることができます。
クリニックの内装・設計に特化した当社へ、ぜひ一度ご相談ください。
この記事の著者
フルサポクリニック編集部
医療、介護施設の設計施工を得意とする「FULLsupport」が運営。
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