クリニックを開業するテナントを契約する前の確認リスト
クリニックを開業する場合、事業計画書や開業する場所を探すなどの段取りをし、工事施工会社や設計事務所へ依頼する流れが一般的です。
開業というスタート地点に立つまでに多くの人と接触し、多くの情報を浴びることで、なんだかよく分からなくなってくるという事態を防ぐには、何をしなければならないかということが大切です。
また、不動産仲介会社は契約を確実なものにするため、返事を急かす傾向があります。
一方的な契約にならないためには、条件をみたしているか判断するための基準が必要です。契約をした後に後悔がないように事前に準備をしておきましょう。
今回は、テナントを契約するまでに確認したいことをまとめました。
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スケジュール
・勤務している病院の退職時期
・開業予定日の決定
・開業前のオペレーションチェック
・医療機器の搬入予定
・開設届の提出日程
開設許可の申請は設計が完成した時点で提出し、開業後10日以内に開設届を提出しなければいけません。
承認が下りるまで期間を要するので、段取りをしていないと開業日に大きなズレがでてしまいます。
レイアウト
・診察室の数
・受付カウンターの導線
・バックヤードの広さ
・待合室の席数
・パウダールームの広さ、場所
・院内薬局の有無
診察室の数は2つくらいあると、患者さんが多くなってきた際に時間短縮になり便利です。
待合室の席数も、ピーク時の患者さんを想定していないと立って待ってもらうことになるので、どのくらい必要か検討する必要があります。
トイレの数は大腸の内視鏡検査などがあり、いくつかのトイレが必要な場合は念頭に置いておくべきですね。
テナント設備
・医療機器の選定
・給排水設備による床上げ
・天井の高さ
・床の耐荷重
・MRI、レントゲン室の周辺環境
・残置物
テナントビルでは、備え付けのトイレやミニキッチン、もしくは以前使っていた壁などが残っている場合があります。
歯科では給排水設備のボリュームが大きいため、設備状況をチェックする必要があります。また透視撮影するX線装置などは天井の高さを確保することや、荷重に対しての床補強などを事前に考えておく必要があります。
工事に関すること
・設計、施工会社の選定
・搬入経路の確保
・工事可能な時間
・看板の設置場所
テナントによってはビルオーナー指定の工事業者を使わなければならない場合がありますが、これは余計な工事が含まれている場合があります。
また、2階以上のテナントでは、機材の搬入が困難な場合がありチェックが必要です。
テナントでは他の店舗の業態などによって、工事不可の時間がある場合があります。商業施設では夜間工事しか不可となる場合が多くあります。
看板に関しては、新築ビルでは外観を理由に拒否されることもあるため、事前確認をしておいたほうが賢明です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回まとめた内容は大まかですが、最低限チェックしておいたほうが良いことです。
神経質になる必要はありませんが、事前に準備をしておくとスムーズに進みます。こういった視点で見ておくとトラブルも回避しやすくなります。
この記事の著者
フルサポクリニック編集部
医療、介護施設の設計施工を得意とする「FULLsupport」が運営。
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