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産婦人科クリニックにおける内装のポイントとは

産婦人科の内装

「産婦人科」は、あらゆる診療科のなかでもっともプライバシーが重要視されるべき科であり、またもっともデリケートな科でもあります。そのような産婦人科クリニックを作るうえでは、「内装の工夫」も必要です。

ここでは「産婦人科クリニックの内装の作り方」「産婦人科クリニックならではの内装の特異点」「産婦人科クリニックの内装を考えるうえで注意したいこと」について解説していきます。

「清潔感のある内装」を意識することは必須

クリニックや病院は、清潔感のある内装にすることが鉄則です。特に産婦人科クリニックでは、それが強く求められます。出産を行う場所であったり、デリケートな検査を行ったり、抵抗力の弱い新生児と接したりするところだからです。

汚れたらすぐにそれを拭きとれる壁紙を採用することが原則で、抗菌や防臭効果のある壁紙も積極的に利用していきましょう。分娩室はもちろん、入院のためのスペースや、待合室などにも工夫が必要です。

産婦人科クリニックには、大きなお腹を抱えた妊婦さんや、小さなお子さんを抱えている人も多く出入りします。動きが制限されやすい状態にある人でも移動が楽にできるように自動ドアもしくは開閉が簡単に行えるドアを採用しましょう。

また、妊婦さんや小さなお子さんを抱えた人の転倒は大きな事故に繋がることがありますから、滑りにくい床材を使用することも重要です。また床材も、汚れや水滴がついたらすぐに拭きとれるものにしましょう。

現在は「入院する人が快適に気持ちよく過ごせるように」「来院しやすい雰囲気のクリニックになるように」として、多くの産婦人科クリニックが内装のデザインに凝るようになっています。

産婦人科クリニックの内装デザインとしてよく採用されるものとして、

・木の素材などを利用した暖かなデザイン
・白を基調とした明るいデザイン
・落ち着いたホテルのような上品なデザイン

などがあります。また、なかには、教会のようなデザインの待合室を使っているところや、中性のお城のベッドルームをイメージした病室に仕立てているところもあります。

これらのデザインは、「どれが良くて、どれが駄目」といえるものではありません。行動に制限がかからない作りであれば、院長の好きなデザインにしてよいでしょう。

ただ、「待合室はウッディなデザインで、診察室はホテルのような感じ、病室はロココ調」などにするよりは、待合室~寝室~病室で一貫したイメージになるようにデザインした方が統一感が出るでしょう。

産婦人科クリニックの内診室と診察室、分娩室を考える

産婦人科の様子

産婦人科クリニックには、診察室と内診室、そして分娩室という非常に大事な部屋があります。これのあり方について考えていきましょう。

ポイントは、

・内診室と診察室は隣接させる
・内診室はカーテンレールなどを使い、羞恥心の軽減に努める
・分娩室にも工夫を

です。それぞれ見ていきます。

内診室と診察室は隣接させる

産婦人科クリニックでは、内診室と診察室は隣接させるのが原則です。診察室の扉を開けたらすぐに内診室に行ける、といった作り方が良いでしょう。

また、内診室や診察室は完全に個室として、治療内容や診断の内容が漏れないようにすることが重要です。医療機関ではプライバシーを重要視しますが、特に妊娠・出産・不妊治療の分野ではこの傾向が顕著です。実際に、「カーテン1枚しか隔てられていない診察室で、隣のご家族が非常にデリケートな話を告げられて泣いているのが聞こえた。いたたまれなかった」という声をあげる人もいました。

診療内容や土地の広さにもよるのですが、場合によってはカウンセリングルームを作ることも検討しましょう。また、カウンセリングルームを作る場合は、待合室から離れたところを選び、防音性の高い扉を採用する必要があります。

内診室はカーテンレールなどを使い、羞恥心の軽減に努める

妊婦検診などで行われる内診は、非常に大切なものです。しかし人によっては、「相手が医師であっても、大きく足を開くのは恥ずかしい」「足を開くことは問題ないが、人が覗き込んでいるのを見るのはいたたまれない」という人が多くいます。

そのため、内診室にはカーテンの仕切りをつけましょう。患者さんのお腹辺りにカーテンの仕切りが来るようにして、患者さんから医療関係者の姿が見えない状態にするのです。カーテン1枚があるだけで、患者さんの羞恥心は大きく軽減されます。

内診室にカーテンをつける場合は、施工段階で、天井部分にカーテンレールを配置すると面倒がありません。

また、ショーツを脱ぐための簡易的な更衣スペースを内診室に設けることも多いかと思われますが、ここにもカーテン(カーテンレール)をつけられるようにするとよいでしょう。

分娩室にも工夫を

分娩室は、子どもを産むための非常に重要な場所です。陣痛や痛みと戦う場所であり、苦しみと喜びが混在する場所でもあります。出産後のお母さんにとっては、自身のお子さんを初めて抱っこする場所であり、ほかの場所とは違った意味を持つ部屋です。

このように特別な場所である分娩室を重要視する産婦人科クリニックは、数多くあります。

畳付きの分娩室を用意したり、天井部分にプラネタリウムのような美しい装飾を施したり、優しい雰囲気を出せる木目調の壁を採用したり、ホテルの一室のような豪華でエレガントな作りとしたり……などのような工夫です。また、ピンク色や黄色などのパステルカラーを採用して、可愛らしい雰囲気に仕上げる産婦人科クリニックもあります。

分娩室においてもっとも大切なのは「清潔さ」「出産前後の処理を正しく適格に行えるような部屋作り」ですが、それが十分に確保できる範囲で、このような「デザイン」にもこだわっていくとよいでしょう。

デリケートな分野だからこそ~不妊治療も扱う産婦人科クリニックのために

最後に、産婦人科クリニックならではの注意点について解説していきます。

産婦人科クリニックのなかには、「不妊治療も行っている」というところも多いことでしょう。

この場合、可能ならば、不妊治療を行うためのスペースと、妊婦さん~子持ちの人が来るスペースを分けるのが望ましいといえます。

「産婦人科クリニックの内装」というキーワードで話すときにはあまりとりあげられないことではありますが、不妊治療を行っている人からは「自分は子どもを持てなくて治療しているのに、お腹の大きな妊婦さんとすれ違うのがつらかった」「小さなお子さんを抱えている人を見ると、心がかき乱される」という声がたびたび聞かれます。このような人にとっては、妊婦さんや小さなお子さんと一緒に待合室で待つことは、かなり大きなストレスとなります。

そのため、スペースに余裕があるのであれば、不妊治療とそれ以外の治療では、待合室や経路を分けた方が望ましいといえます。

まとめ

産婦人科は、ほかのあらゆる科のなかでももっともデリケートで、もっとも配慮が求められる科です。そのため、産婦人科クリニックを立ちあげようと思うのであれば、それを十分に理解したうえで内装を考えていかなければなりません。

清潔感やプライバシーの確保ができる内装にすることはもちろん、「ここに通いたい」「ここで産みたい」「ここに入院したい」と思うおしゃれな内装を考えましょう。また、不妊治療のスペースとそれ以外のスペースを分ける配慮もできればより良いでしょう。

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この記事の著者

フルサポクリニック

フルサポクリニック編集部

関西エリアでのクリニック実績多数!
医療、介護施設の設計施工を得意とする「FULLsupport」が運営。
当サイトではクリニックにまつわる設計や内装工事にまつわる記事を随時更新中

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