クリニックの内装・デザイン事例3選!クリニックの内装・設計専門フルサポクリニックの事例ご紹介
「クリニックの内装」は、クリニックの経営・運営を続けていくうえで非常に重要となる要素です。
ここではクリニックの内装を決めるときに考慮したい要素と、実際のクリニックの内装から見るその特徴・コンセプトについて解説していきます。
クリニックの内装を決めるキーとは
クリニック(「病院」を含む。以下は「クリニック」の表記で統一)を建てたいと考えた場合、「クリニックの内装」に目を向けることは必要不可欠であるといえます。どれほど医師の腕が良くても、極めて内装が悪いクリニックはどうしても足を運びにくくなってしまうからです。
クリニックの内装を決めるためには、以下の4点を考える必要があります。
- コンセプトを合わせる
- ターゲットを合わせる
- 清潔感を意識する
- バリアフリー化は必須
ひとつずつ見ていきましょう。
コンセプトを合わせる
クリニックに限ったことではなく、家の内装などでも同じことがいえますが、「自分が良いと思うもの」「すてきだと思われる要素」をやみくもに詰め込んでしまうと、どうしてもバランスの悪い内装になってしまいます。
そのため、まずは「どのようなコンセプトでまとめるか」を明確にする必要があります。優しく親しみやすい印象にするのか、ハワイなどをモチーフに楽しい印象にするのか、落ち着いたシックな印象にするのかをまず考えましょう。この「コンセプト」は、クリニックの内装を考えるうえでのベースとなるものです。
ターゲットを合わせる
クリニックの内装を考える際には、「ターゲット」を明確に意識することが重要です。たとえば小児科ならば子どもが遊べるスペース(キッズスペース)を設けることが必須ですし、内装も明るく楽しい開放的な雰囲気になるようなデザインにすることが求められます。
対して、泌尿器科などの場合はデリケートな分野であるため、個々のプライバシーに配慮がしやすく、落ち着いた印象のクリニックにすることが推奨されます。
このように、「自院の科(とそのターゲット)に合わせた内装デザイン」を意識する必要があります。
清潔感を意識する
どのようなクリニックであっても、「清潔感」は非常に重要です。クリニックは病気に対応する場所であるため、不潔なクリニックからは足が遠ざかってしまいます。
清潔感の出しやすい色といえばやはり「白色」などですが、もちろんほかのカラーリングを使っても清潔感を演出することはできます。ただ、ほこりが極めて目立ちやすい内装デザインにした場合は、掃除の手間がかなりかかるといえるでしょう。
また、内装を決めるときは、「掃除しやすいデザインであるかどうか」も考える必要があります。
バリアフリー化は必須
現在は数多くの建物でバリアフリー化が進んでいますが、クリニックの場合はこれは必須です。
科によって多少の違いはあるものの、クリニックは基本的に「体の調子が悪い人」が訪れるものです。そのため、彼らが通いやすいデザインにする必要があります。敷地面積の問題はありますが、車いすが「ギリギリ通れる」通路ではなく、ある程度余裕を持った幅の通路を確保したり、逆に適切な段差を設けたりすることによって、いろいろな人が足を運びやすいクリニックを作ることが重要です。
次の項目からは、実際のクリニックの内装と、その特徴を解説していきます。
「患者様同士の距離が近すぎないでいられるように」を意識した育毛・発毛専門クリニック「AGA加藤クリニック」様
「AGA加藤クリニック」様は、育毛・発毛を専門とするクリニックです。ビルの4階にあるクリニックで、エレベーターが開くと真正面に受付カウンターを配しています。
AGA加藤クリニック様の内装のポイントは、「患者様と患者様の距離が近すぎないでいられること」です。デリケートで繊細な分野だからこそ、患者様と患者様の距離が近くなりすぎないように距離を作っているのがポイントです。
足を運ぶ人が「大人」であることを想定しているため、内装の方向性としては「シックで落ち着いた、高級感のあること」を目指しています。茶色や白色で構成されているほか、間接照明なども積極的に使い、静かで大人の雰囲気の内装に仕上げています。
美容クリニックだからこそ! ハワイを意識した「エーティーワンクリニック」様の内装
「美容クリニック」は、ほかのクリニックとはその意味や性質が大きく異なります。美容クリニックは、ごく一部を除き、「健康になること」ではなく「きれいになること」を目的として足を運ぶことになる場所です。そのため、ほかのクリニックには見られないような遊び心のあるデザインなども許容されます。
エーティーワンクリニック様の内装は、ほかのクリニックにはあまり見られない「ハワイ」をテーマにして作られています。南国の島ハワイの解放感と快適さ、癒しをクリニックに足を踏み入れた瞬間に味わえるのが特徴です。
美容クリニックはしばしば、美容エステサロンと比較して語られます。またその際に、「クリニッククリニックはあくまで医療機関であるため、美容エステサロンに比べておしゃれさやラグジュアリー感で劣る」とされることもあります。今回のエーティーワンクリニック様の内装は、そのような、「美容クリニックのマイナス点」を解消しているものだといえるでしょう。
清潔感と親しみやすさ~「やまおかクリニック」様の内装事例
白ベースで統一された「やまおかクリニック」様の内装は、非常に清潔感があり、また非常に「クリニックらしい」デザインであるともいえます。透明感のあるデザインで、だれもが「きれいで美しい」と感じるデザインに仕上がっています。
ただ、このように「白一色で作り上げられた空間」は、清潔感という点では満点ではあるものの、どうしても冷たい印象・怜悧な印象を抱かせてしまいがちです。そのためここでは、トーンの異なる木目のパーテーションを組み合わせています。自然の色合いを持つ木目のパーテーションは、冷たい印象を緩和して、優しさと暖かさを空間にプラスします。
なおこのパーティションには、「空間の調整」以外の意味もあります。扉―パーテーションー待合椅子―受付 にすることで、外から「待っている人」が見えないようになっているのです。やまおかクリニック様は、大阪24区のなかでもっとも人口が多い区であり、人通りが多いことも予想されますが、このような工夫をすることで、患者様のプライバシーも守れるようになっているのです。
まとめ
「クリニックの内装」は、クリニックを運営していくうえで非常に重要になるものです。ここの点をおろそかにしてしまうと、患者様にとっても「通いにくいクリニック」になってしまいます。
クリニックの内装を決めるうえでは、
・コンセプトを決める
・ターゲットに合ったものにする
・清潔感を重要視する
・バリアフリーは必須
の4つの視点が重要です。特に「コンセプト」と「ターゲット」は、クリニックごとによって異なりますから、実際の内装工事にかかる前に、ここを明確にしておかなければなりません。
私たち「フルサポクリニック」では、「こんな内装にしたい!」はもちろん、「どんな内装にしたらいいか分からない!」の相談も積極的にお引き受けしています。不明点や疑問点があれば何でもご相談ください!
この記事の著者
フルサポクリニック編集部
医療、介護施設の設計施工を得意とする「FULLsupport」が運営。
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