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内装工事の耐用年数は何年?仕訳・会計処理の注意点

内装工事の耐用年数

普段はあまり意識することのない人が多いかと思われますが、「建物の内装」は「資産」として扱われます。そのため、固定資産税の申告などにもこの「建物の内装(およびその耐用年数)」が関わってきます。

ここでは「クリニックの内装の耐用年数」を取り上げて、その意味や会計上の処理について考えていきましょう。

クリニックの内装工事費用は、「減価償却資産」としての性質を持つ

まず、「そもそもクリニックの内装工事費用は、法律上でどのように扱われているか」について解説していきます。

クリニックの内装を整えるために使った費用(内装工事費用)は、「減価償却資産」のカテゴリーに分類されます。減価償却資産とは、「原則10万円以上のものであり、かつ時間が経つにしたがってその価値が落ちていく資産」を指す言葉です。内装は徐々に古くなっていくものであるため、この減価償却資産に分類されているわけです。また、ここでは大きくは取り上げませんが、社用車などもこの減価償却資産に分類されています。

内装工事費用と減価償却資産について

この減価償却資産は、経理上は、「一度『資産』として計上したうえで、毎年少しずつ経費として形状していく」という処理を行います。

このように処理をしなかった場合、「内装を整えるのに500万円かかった。それを毎年経費として計上することで、実際は黒字経営であるにも関わらず、赤字経営のようになってしまった。そしてそれが原因で、『毎年赤字を出しているところには融資できない』として、銀行から融資を断られてしまった」などのような状況に陥る可能性があります。減価償却資産の考え方は、このような問題を避けるために作られた制度だといえます。

「耐用年数」は減価償却資産と深く関係するものです

また、減価償却資産を理解するうえで、非常に重要なキーワードとなってくるのが「耐用年数」の考え方です。

上でも述べたように、内装は時間が経つにしたがってその価値が落ちていく資産です。床がめくれたり、壁がくすんだりといった変化は、どこのクリニックでも持つことになる悩みです。このように内装が劣化していくなかで、内装のために使われた費用は徐々に減価償却されていくことになります。

そして、工事をしてから毎年徐々に減価償却されて、その資産の価値が0円となるまでの期間を「耐用年数」といいます。

法律的な区分である「耐用年数」と、業者が定めた「耐久年数」はその意味合いが異なる

ちなみにこの「耐用年数」と「耐久年数」は意味が異なります。耐用年数は「国によって定められた、減価償却終了までの期間」を指す言葉であるのに対し、耐久年収はあくまで「その工事を施した業者や設備を提供した業者が、『この期間までは問題なく状態を維持できる(使用し続けられる)」としている期間を指す言葉です。つまりこの2つは、言葉の語感としては似ているものの、その意味がまったく異なります。

ただ、実際の内装工事においては、耐用年数=耐久年数となっているケースもよくあります。たとえば一般的な内装工事で貼り付けた床や壁などは、10年程度を耐久年数のひとつの目安としていますが、これらの耐用年数もまた10年程度です。

内装工事の耐用年数は5年~20年程度が目安

それでは、内装工事の耐用年数はどれくらいなのでしょうか。

これは、その設備の使用頻度やお手入れの方法、種類によって大きく異なります。また、使用環境がよくきちんとメンテナンスをされていた場合は、そうではない場合に比べて耐用年数が長くなる傾向にあります。

ただ、ひとつの目安として以下の年月が挙げられます。

・床材や壁材:上記でも述べたように、10年程度が耐用年数と判断されることが多いといえます。
・天井材と照明家具:天井材に関しては、床材と壁材と同じように10年程度は使用に耐えられると考えるのが自然です。しかし照明家具は比較的その寿命が短く、5年くらいがひとつの目安だと考えられています。
・ドアや窓など:ドアや窓といった施設のなかに着けられる建具は、比較的長く持ちます。使い方を遵守して適切に利用していれば、20年程度はもつでしょう。

なお、人の健康に直接影響を与える医療機器のなかには、法的に耐用年数が個別に設定されているものがあります。

たとえば消毒殺菌用機器の場合は耐用年数が4年とされていますし、手術用の機器は5年、歯を診察するためのユニットは7年と決められています。

それ以外にもさまざまな医療機器に耐用年数が設定されているため、クリニックを運用する場合はこのあたりについても意識を向けることが必要です。

また、ここでは取り上げませんが、クリニックの建物自体にも耐用年数の考え方は関わってきます。木造のクリニックは耐用年数が短く、鉄筋・鉄骨コンクリートのクリニックは耐用年数が長くなります。

「狭い」「傷んできた」のその前に

ここまでは「内装工事費用と耐用年数」を取り上げてきましたが、クリニックの内装に手を入れる(リフォームする)ときの基準はこの「耐用年数」だけにあるわけではありません。

壁が剥がれたまま補修されていない内装を見れば、患者様は多くの場合「もうかっていないようだが大丈夫だろうか」「院内の修繕にも気を回せないクリニックだから、手術も適当に行われてしまうのではないだろうか」と不安を抱えることでしょう。

また、剥がれたままの床材をそのままにしておくと、それにけつまずいて転倒してしまう人もいるかもしれません。クリニックはその性質上ご年配の患者様も多く足を運ぶ場所です。そのような場所で転倒事故を起こしてけがをした場合大きなトラブルに繋がりかねません。

そのため、たとえ耐用年数がまだあると考えられる段階であっても、客観的な視点からみて「内装が傷んでいるな」と思われる場合は、リフォームを検討した方がよいでしょう。

私たちフルサポクリニックは、創業12年で400軒以上のクリニックの内装工事・設計を手掛けてきた設計・施工会社です。耐用年数や耐久年数などについてのご相談も積極的にお引き受けしています。

クリニックの内装・設計に関することならフルサポクリニックにお任せください。

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この記事の著者

フルサポクリニック

フルサポクリニック編集部

関西エリアでのクリニック実績多数!
医療、介護施設の設計施工を得意とする「FULLsupport」が運営。
当サイトではクリニックにまつわる設計や内装工事にまつわる記事を随時更新中

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