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クリニック内装における椅子の選び方|患者満足度を高める3つのポイント

クリニック内装における椅子

クリニックの内装を考えるとき、「イス」がまず真っ先に思い浮かべられることはほぼありません。実際、壁や床などの後から手を入れることがほぼできない部分や、後から作り替えをすることの極めて難しい間取りなどに比べれば、その優先順位は低いといえるでしょう。

ただ、イスは患者様の快適さや過ごしやすさそのものを左右するものです。実際に、クリニックのクチコミでも、「イスが硬くて寛げない」「診察室のイスが良くて、腰痛持ちでも楽に診察を受けられた」などのコメントが挙がっています。また、新型コロナウイルス(COVID-19)以降は、感染症対策について不安に思う人もいます。

このようなことを考えていけば、「イス」はクリニックにとって決しておろそかにできないものであることがわかるでしょう。

ここではより患者様の、そして貴院の評価のためにより良いイスを模索していきます。

イスのタイプ別の特徴

クリニックに入れるイス

クリニックに入れるイスの種類は、大きく分けて下記の3つです。

・ベンチ

・背もたれありのソファ

・チェア

それぞれ見ていきましょう。

省スペース化可能、ベンチ

クリニックにおいてもっともよく選ばれているイスの形といえば、やはり「ベンチ」でしょう。2人以上が横に並んで座れる横長のイスであり、クリニックの場合は1つのベンチに5人~10人程度が並んで座れるようになっているケースが多いかと思われます。

ベンチは一般的には背もたれがないものが多く、解放感が出せるうえに、スペースの節約に繋げることができます。しかも壁面にくっつけるようなかたちで配置すれば、支えのない状態で座位を維持することができない人でも、実質的に壁を背もたれとして使うことができます。

スペースをとらないのに多くの人が座れるベンチは、クリニックにとって非常におすすめの選択肢です。内装施工段階でこれを作りつけると、後から入れる手間もいりませんし、クリニックのデザインとの調和も取れます。

ただし、壁面にくっつけない場合は転倒の可能性がありますし、人が詰めて座るかたちにになるので感染症対策の面では一歩劣ります。

快適さ一番、背もたれありのソファ

背もたれありのイスである「ソファ」は、多くの場合快適さが重視されていて、患者様がリラックスした状態で過ごせるものです。

ソファは、高級感をテーマにしたクリニックによく合います。たとえば自由診療がメインになる美容外科や、年齢層が高い人しかこないAGAクリニックでよくマッチするでしょう。

ソファは背もたれがありひざ掛けがあるので非常にスペースをとるという問題点がありますが、完全予約制をとっているクリニックならばあまり問題にはなりません。ラグジュアリーな空間を作るということで、空間づくり・デザインづくりにも寄与してくれる存在です。

ただ、座り心地を追求したソファはかなり値段が高いものが多く、1台で数十万円~百万円になることも珍しくありません。また繰り返しにはなりますが、スペースをとるうえに座れる人の数が少ないので、使える場面はやや限られます。

感染症対策にも、チェア

一人ひとり個別で座れるチェアも、近年よくクリニックに取り入れられるようになりました。ひざ掛けは、ついているタイプとついていないタイプがあります。

一人でしか座れないため、患者様同士の距離を自然に開くことができます。また置き方を変えれば、さらに患者様同士の距離を開けることができます。そのうえ現在はさまざまなチェアが出ているので、クリニックの「差し色」として機能させられるというデザイン面でのメリットもあります。

「必要ないときは片付けておく」「クリニックが完全に出来上がってから、雰囲気に併せて購入する」などのように柔軟性が高いのもメリットです。

ただこのイスの場合は、一人ずつしか座れないため、スペース制限が厳しいところには剥いていません。また座りこごちがメーカー・ブランドによってさまざまであるため、選ぶのがなかなか大変だというデメリットもあります。

ちなみにチェアに似たものとして「パイプイス」があります。座り心地はよくありませんが、非常に安価で、片付けることも容易なので、不意の来客があると予想される場合は予備的に収納スペースに入れておいてもよいでしょう。

クリニックにおけるイス、検討のポイントとは

クリニックに入れるイス

クリニックのイスに求められることは、下記の3つです。

それぞれ見ていきましょう。

快適性

クリニックでは、(施術上どうしても必要な場合を除き)患者様が快適に過ごせるイスを選ばなければなりません。

たとえば硬すぎるイスは論外ですし、逆に沈み込んでしまうほどに柔らかいイスは足腰を痛めている人にとって負担になります。

小さなお子さんにとっては大人用のイスはとても使いにくいもので、「足のバタバタ(前後運動)」などを生み出してしまう原因にもなります。

イスは、ある程度長い時間座ってみなければわかりません。そのため、可能ならば自分でも座り心地を確かめてみるべきです。

デザイン性

一般的な住居のイスがそうであるように、クリニックのイスもデザイン性が求められます。

「特段おしゃれなクリニックにはしなくてもいい」という場合であっても、イスが浮いてしまう状況だと、患者様はリラックスして過ごせなくなってしまいます。

「色の基本」を抑えつつ同系色~柔らかい色でまとめるのが基本ですが、差し色としてイスを使うのもひとつの手です。

耐久性

クリニックのイスは、不特定多数の人が座るものです。また、足や腰に障がいを抱えた人が使うケースも当然多く見られます。

そのため、「耐久性」の面で見ることも重要です。壊れにくく頑丈なイスを選ぶことはもちろん、中のクッションがへたれにくいものを選びましょう。

選ぶ場合は、クリニック専門の内装業者に依頼するのがおすすめです。また後入れで入れる場合は、単に「イスを選んでいる」と伝えるのではなく、「クリニックで使えるイスを探している」と告げてアドバイスを貰うのがよいでしょう。

イスは、つくりつけか、それとも後で入れるか?

クリニックに入れるイス

イスは、クリニックを作った段階で壁などに接して作る「つくりつけ」と、後から購入していきて入れるかたちがあります。

それぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。

つくりつけイスのメリットとデメリット

つくりつけイスのメリットとデメリットは、以下の通りです。

・クリニックの内装デザインに最適化されているので違和感が出ない

・予算から逸脱しにくい

・無駄が出にくい

・後で調整を行うのが困難

つくりつけでイスを作る場合、内装デザインと合わせてプロから提案するので、統一感の取れたデザイン性の高いものを選べます。また見積もりの段階で予算に組み込まれてくるので、大幅な予算オーバーにならないのもメリットです。さらに、人間の導線などを意識して作られるため、「無駄なスペースがなく、しかし移動に制限がない空間」を作れます。

ただ、「患者様の数が増えたのでイスを増やしたい」などのような調整が効きにくいというデメリットがあります。

後で入れる場合のメリットとデメリット

後入れのメリットとデメリットについて解説していきます。

・自由が効きやすい

・こだわりポイントを実現しやすい

・患者様の状態によって調整できる

・選び方を間違えると違和感が出る

後入れのイスの場合は、「人が多いからイスを出す」「予約制に変わったから、入る人の数が限られるようになったのでイスを片付ける」などの自由が効きやすいのがメリットです。また、「極限まで座り心地のよいイスを選ぶ」などのようにこだわりポイントを追及できますし、足の悪い人にはこちらのイスでなどのように案内ができます。

ただ、「空間との調和」という点では、つくりつけのイスに劣ります。特に期間を分けて選ぶ場合は、「これがいい!」と思ったものを無計画に入れていくと、統一感のない空間になりがちです。

「より良いイス」を選ぼう

イスは、あまり顧みられることはありませんが、クリニックにおいて大切な要素のうちのひとつです。「どんなイスを選ぶか」「何を見たらよいのか」「つくりつけか、後入れか」も含めて、ご相談をお受けしています。

患者様の過ごしやすさを考えたクリニック内装ならフルサポクリニックにお任せください。

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この記事の著者

フルサポクリニック編集部

関西エリアでのクリニック実績多数!
医療、介護施設の設計施工を得意とする「FULLsupport」が運営。
当サイトではクリニックにまつわる設計や内装工事にまつわる記事を随時更新中

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