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皮ふ科の内装について

皮ふ科の内装皮ふ科は、子どもから高齢者まで幅広い世代が訪れる診療科です。そのため、内装設計においても万人に配慮した「使いやすく落ち着く雰囲気の空間づくり」が求められます。

特に重要なのは、「保険診療を中心にするか」「自由診療に特化するか」という方向性の明確化です。それによって内装のコンセプトや設計内容は大きく異なります。

本記事では、皮ふ科の内装デザインを構成する上での基本的な考え方と、実際の設計時に重視すべき要素についてご紹介します。

保険診療が中心の場合は「ソフトで落ち着ける」をコンセプトに

水疱瘡やアトピー性皮膚炎などの保険診療を主に扱う皮ふ科と、シミとりレーザーやシワ改善施術などの自由診療を扱う美容皮ふ科では、求められる内装デザインが異なります。

保険診療の場合は、「だれもが落ち着ける」をコンセプトに内装デザインを考えていきます。クリニックのなかにはウッディな素材を採用するところが多く見られますが、保険診療をメインとする皮ふ科の場合は比較的薄い色の素材を採用して、暖かみを出すようにします。

白色はクリニックにとってもっとも身近な色のうちのひとつですが、「真っ白」はやや冷たすぎる印象を与えるため、少し黄みがかったクリーム色を積極的に採用するのも手です。

お子さんが来ることの多い皮ふ科ならば、キッズスペースも設けます。キッズスペースは畳もしくは弾力のあるシート敷きにして、はいはいをする年齢くらいのお子さんにも使いやすく、また子どもが転倒したときも優しく受け止めてくれるようにします。

自由診療が中心の場合は個性と高級感を演出

シミ・しわ治療や美容施術などを行う自由診療の皮ふ科では、内装に独自性や高級感を演出する工夫が重要です。

たとえば、

・ハワイ風リゾートを思わせる装飾

・黒×白で統一したモダンデザイン

・トルコブルーや紫など寒色系のアクセント

・プラネタリウムのような天井演出

など、コンセプト重視の内装が好まれる傾向があります。

自由診療では、空間全体がクリニックの「ブランディング」にも直結するため、先生の価値観や世界観を反映しやすい点が特徴です。

なお、将来的に自由診療への拡大を検討している場合は、最初から自由診療への移行を見越した内装設計を行うことが推奨されます。

皮ふ科の内装において重要な要素

皮ふ科の内装

上では、「皮ふ科の内装においては、保険診療をメインとするか、それとも自由診療をメインとするかで求められるデザインが違う」としました。

これを踏まえたうえで、皮ふ科の内装を決めるために重要な要素である

・清潔さを保つために

・更衣室や洗面台

・クリニック内の移動のしやすさ

・カウンセリングルームの重要性

・待合室と診察室の照明

・臭い対策

について解説していきます。

「消毒」「殺菌」「感染予防」「掃除のしやすさ」が皮ふ科では特に重要

皮ふ科が診る病気のなかには、人に移るものが多くあります。たとえば水いぼやはしか、帯状疱疹などがその代表例です。加えて、来院者の中には免疫力が低下している方も多いため、徹底した感染対策が必要になります。

そのため、皮ふ科の内装は、「消毒」「殺菌」「感染予防」「掃除のしやすさ」を旨とします。

消毒・殺菌効果のある壁紙を使用するほか、患者様同士の席を離して置いたり、アルコール消毒の実践および推奨を行うことが重要です。

更衣室や洗面台は広めに設ける

皮ふに疾患がある人の場合、「衣服に触れると、患部が痛む」こともあります。そのため、着替えやメイク落としがしやすいよう、広めの更衣スペース・洗面台を確保する設計が重要です。

診察室⇔更衣室は最短距離に

皮膚に疾患がある場合、それを医療スタッフ以外の人に見られることを嫌がる人もいます。そのため、患者の心理的な負担を軽減するには、更衣室と診察室・施術室を近くに配置し、動線を最短化することが大切です。

もっとも理想的なのは、診察室と更衣室、施術室が、すべて繋がっていて、待合室を経由しなくてもよい間取りです。こうすることで、患者様の心理的な抵抗感も、感染リスクも、待ち時間の負担も軽くすることができます。

自由診療の場合はカウンセリングルームを設ける

自由診療では、治療内容が多岐にわたるため、診察前にカウンセリングルームを設けてヒアリングを行う設計が推奨されます。スタッフ対応による事前聞き取りを行うことで、診療効率も高まります。

カウンセリングルームは、プライバシー保護のため完全個室で設計し、自由診療の皮ふ科領域の話は内容がデリケートなものになることが多いため、防音もしっかり行いましょう。待合室から少し離れた位置にカウンセリングルームを作れれば理想的です。

待合室の照明は「過ごしやすさ」を重視

待合室の照明は、「過ごしやすさ」を基準に照明を選びます。待合室に適している照明の明るさは、200ルクス~300ルクス程度です。柔らかな照明を選び、患者様の精神と目の負担を軽減します。

美容皮ふ科の場合は雰囲気に併せて柔軟に待合室の照明を選んでもよいでしょう。

診察室の照明は「肌の色をしっかり確認できる」を重視

診察室の照明は「診断をしっかりできる明るさであること」をもっとも重要視しましょう。特に皮ふ科の場合は、「肌の色」を正しく診ることは、病気・けがの状況を把握するために非常に重要だといえます。

診察室の照明は、500ルクス以上の明るさとします。待合室に比べて必要とされる光度が高く、750ルクス程度の照明を用いる皮ふ科もあります。

盲点になる「臭い対策」もしっかりと

皮ふ科の内装を考えるときに、意外と盲点になりやすいのが「臭い」です。

レーザーなどの施術では、皮膚表面が焼けたような特有の臭いが発生することがあります。

この「臭い」は、慣れていない人にとって特に不快感となってしまうため、しっかりと換気をして臭いを外に出してあげなければなりません。施術室には換気設備や専用ダクトを設置し、臭気が待合室に流れ込まない構造設計を心がけましょう。

皮ふ科の内装を完成させるために必要な視点とは

皮ふ科の内装設計ではまず、「保険診療を中心とするか、自由診療を中心とするか」を定めることが必要です。前者ならば優しく落ち着けるデザインに、後者ならばそのクリニック独自の個性や高級感が出るデザインにした方がよいでしょう。

また、それ以外にも、「消毒や殺菌などの感染対象対策の重要性」「更衣室と洗面所のあり方」「カウンセリングルームの有用性」「待合室と診察室の照明」「臭い」などについてしっかり考える必要があります。

私たちフルサポクリニックでは、皮ふ科をはじめ、さまざまなクリニックの内装設計をトータルにサポートしています。

診療科にあわせた最適なプランをご提案しますので、クリニックの内装をご検討の際には是非ご相談ください。

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この記事の著者

フルサポクリニック編集部

関西エリアでのクリニック実績多数!
医療、介護施設の設計施工を得意とする「FULLsupport」が運営。
当サイトではクリニックにまつわる設計や内装工事にまつわる記事を随時更新中

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