クリニックの内装設計に伴う消防法をクリアするための流れと基準
クリニック・病院の開業や移転などを行う場合、いろいろな法律が関係してきます。建物に係る主な法律は、医療法 、建築基準法、消防法、都市計画法、バリアフリー法、都道府県条例等があります。
今回の記事では、消防法に関しての規定をまとめておきたいと思います。
▼ 消防検査の流れ
消防検査とは、各消防用設備の消火、警報、避難などが、消防法に則って設置されているかを消防職員が検査することです。
消防検査までの流れとして、事前協議→使用開始届→設置届→消防検査という大まかな手順となっています。
使用開始届、設置届の段階で、協議や審査を行っているので、消防検査の段階では書類通り設置されているかの確認を行います。また、正常に作動するかの立ち合い検査も行います。
書類の提出先は管轄消防署又は管轄消防本部・予防課に行い、消防検査の立ち会いには施工主と施工会社必要となります。
▼ 延べ床面積に対して必要な消防設備
全て | 誘導灯、防炎加工 |
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150m2以上 | 消火器具 |
300m2以上 | 自動火災報知器設備、 漏電開催警報器(タスモルタル仕上の場合) |
500m2以上 | 消火機関へ通報する火災報知設備 |
700m2以上 | 屋内消火栓設備(準耐火≧1,400m2、耐火≧2,100m2)、 動力ポンプ設備(準耐火≧1,400m2、耐火≧2,100m2) |
3000m2以上~ | ※別紙詳細 ※地階・無窓階床面積でも制限あり |
▼ 各階の規模に対して必要な消防設備
地下3階以下 | 非常警報設備(放送設備付加) |
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地上3階以上 | 消火器具(階面積≧50m2)、自動火災報知機(階面積≧300m2) |
地上4階以上 | スプリンクラー設備(階面積≧1500m2)、 屋内消火栓設備(階面積:一般≧150m2、準耐火≧300m2、耐火≧450m2) 動力消防ポンプ設備(階面積:一般≧150m2、準耐火≧300m2、耐火≧450m2) |
地上5階以上 | 連結送水管(延床面積≧6,000m2のみ)、 総合操作盤(床面積≧20,000m2で消防長などが必要と認めるもののみ) |
地上7階以上 | 連結送水管(すべて) |
地上11階以上 | 非常コンセント設備(11階以上のみ)、スプリンクラー設備(全階に必要) 自動火災報知設備、非常警報設備(放送設備付加)、総合操作盤(床面積≧10,000m2で消防長などが必要と認めるもののみ) |
地上15階以上 | 総合操作盤(床面積≧30,000m2で消防長などが必要と認めるもののみ) |
▼ 収容人員に対して必要な消防設備
10人以上/階 | 避難器具(3階以上で直通階段が1か所のみの階)、 避難器具(3階以上で下階に防火対象物施設1~4項、9項、12項イ、13項イ、14項、15項がある階 |
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20人以上 | 非常警報設備 |
20人以上/階 | 避難器具(避難階は不要) |
30人以上 | 防火管理者の選任 |
300人以上 | 非常警報設備(放送設備付加) ※収容人員は、下記数を合算 1. 医師、歯科医師、助産師、薬剤師、看護師その他従業者数 2. 病室内にある病床の数 3. 待合室の床面積の合計を除して得た数 |
この記事の著者
フルサポクリニック編集部
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