クリニックで看板を出す効果とは?費用相場についてもご紹介
クリニックを運営するとき、意識しなければならないことのひとつとして、「そこを訪れる(あるいは訪れようとする)患者様にとって、見つけやすいクリニックであるかどうか」が挙げられます。
そしてこの「見つけやすさ」をサポートするためのものとして、「クリニックの看板」があります。
ここでは「クリニックの看板が持つ意味」「クリニックの看板の種類とその設置費用」について解説していきます。
「看板の設置」は、クリニックの場所をわかりやすく示す効果がある
「クリニックの看板」を設置する目的は、いくつかあります。ひとつずつ解説していきます。
自院の周知
看板を設置する目的のなかでももっとも大きいのは、やはり、「そこを通りかかる人に、クリニックを認知してもらう」というものです。
どんなに良い腕を持っているクリニックであっても、「そこにクリニックがあること」をだれも知らなければ、足を運ぶ選択肢として挙がってきません。現在はインターネットで「市町村名 皮膚科」などのように検索してクリニックの場所を知ることはできますが、あまりにも目立たないクリニックであった場合、見つけることができずに諦めてしまうこともあるでしょう。特に、「予約なしの初診」の場合は、この傾向が強くなるかと思われます。
このような状況を避けるために、クリニックは看板を設置することが求められます。「ここに〇〇クリニックがあるよ」という看板を出しておけば、そこに足を運ぼうとしていた人を迷わせずに済みます。また、近所に住んでいる人が毎日当たり前のようにそのクリニックの看板を見ることで、「何か不調があったらこのクリニックに行こう」「肌荒れがひどい。近くにたしか〇〇クリニックがあったから、あそこに足を運んでみよう」などと考える可能性も格段にアップします。
クリニックの看板は、集客のための手段のうちのひとつといえるのです。
中の雰囲気を伝えられる、中の様子を隠す
詳しくは後述しますが、クリニックの看板は「外を通りかかる人に、そのクリニックの存在を周知するためだけのもの」でもありません。
多くのクリニックは、プライバシー保護の観点から、通りから待合室が見えないようになっています。またなかには、「中の様子が見えにくいように、すりガラスを使用している」などのクリニックもあるでしょう。このような場合、初診を受けようとする人がなんとなく二の足を踏んでしまう可能性が高くなります。
しかし、「中の様子が伺える看板」を配することで、このようなデメリットをカバーすることができます。
上では「中の雰囲気をうかがわせるためのものとしての看板」を取り上げましたが、逆に、「中の様子を伝えすぎないために設置するクリニックの看板」もあります。
たとえばガラス面を多く採用したクリニックの場合、待合室が丸見えになってしまうことがあります。しかしこのような場合は、すりガラス調のフィルム看板を設置することで、患者様のプライバシーを守ることができるようになります。
患者様の戸惑いを減らす
それ以外のメリットとして、「患者様に分かりやすく自院の情報を伝えられる」というものが挙げられます。そのクリニックの開院時間や開院曜日を看板で示せば、患者様は「この時間は休みなのだな」と把握することができます。
この「開院時間・曜日の告知をクリニックの看板で行うこと」は、患者様にとって意外なほどに重要です。
たとえば、「インターネットで、10時~18時と書いてあったから、この時間なら開いているはず」と、12時半ごろに足を運んできた患者様がいるとします。しかし12時~13時までは昼休み時間であり、かつ「昼休みの時間や営業時間外は電話を取らない」としているクリニックだった場合、患者様は「せっかく来たのに開いていない、電話も繋がらない」という状況に困惑することになります。インターネットの情報は必ずしも正確ではないため、このような状況はしばしば起こり得ます。
しかしクリニックの看板で、「平日の10時~12時(11時半まで受付)、13時~18時(17時半まで受付)」と書かれていた場合、少なくとも患者様の「どうして開いていないのだろう」という疑問は払拭できます。この「不安の解消」は、クリニックに対する信頼感にも繋がっていくものです。
看板の種類と費用相場
上記ではクリニックの看板の意味について解説してきました。
ここからは、クリニックの看板の種類と費用相場を取り上げていきます。
・自立看板
・ファサード看板
・野立て看板
・プレート看板
・切文字看板
・ウィンドウ看板
ひとつずつ解説していきます。
自立看板
駐車場などに、地面から直立している形で立てられることになるのが「自立看板」です。
おそらく「クリニックの看板」と言った時に、多くの人が想像する看板がこの「自立看板」でしょう。
かなり大きいサイズで立てることになるので、遠目で見てもはっきりと「そこに〇〇クリニックがあること」が分かります。歩いている人はもちろん、車を運転している人でも見やすいため、自院の認知度を上げるために非常に役立ちます。
自立看板は、光るタイプと光らないタイプがあります。当然前者の方が値段は高く、60万円~200万円程度の費用がかかります。またそれほど高額ではありませんが、光るタイプの自立看板は電気代もかかります。
後者の光らないタイプの自立看板の場合は、高くても40万円程度で設置できます。
ファサード看板
クリニックの建物自体の上部や正面に設置する看板で、「〇〇クリニック」とクリニック名を入れたものを「ファサード看板」といいます。ちなみに「ファサード」は「外観」という意味を持っています。
ファサード看板は、「この建物は、たしかに〇〇クリニックである」と示すためのものです。非常にデザイン性が豊かであり、プレートタイプになっているものもあれば、文字だけを掲げたタイプもあります。また、光るタイプもあれば、光らないタイプもあります。
ファサード看板も自立看板同様非常に重要な役目を持ちますが、費用は10万円~25万円程度です。
野立て看板
駐車場や敷地の隅に配置することが多い「野立て看板」は、「駐車場はここにあります」「クリニックは、100メートル先を左折するとあります」などを示すための看板です。
案内板と集客看板の両方の性質を兼ね備えている看板で、これも光るものと光らないものがあります。比較的安価なものであれば25000円程度から立てられますが、大きさが大きくなったり、光らせたりするようであれば値段はもっと高くなります。
プレート看板
上で挙げた「そのクリニックの開院時間などを示すために作る看板」が、この「プレート看板」です。
ファサード看板などで目を引き付けられた人や、もともとそのクリニックに足を運ぼうと考えていた人が見ることになる看板であるため、情報量が細かく、「情報伝達の手段」としての役目も持っています。
プレート看板はサイズが大きくないため、安価で済ませようとするのであれば10000円程度で設置できます。
ウィンドウ看板
前述した、「中の雰囲気を伺いやすくするためのもの/中の人のプライバシーを守るためのもの」という性質を有しているのが、「ウィンドウ看板」です。印刷シートを使ったり、すりガラス調のフィルムを貼ったりして作っていきます。
価格は大きさや対応方法、対応箇所によって異なります。比較的安価で施工でき、5000円~30000円程度がひとつの予算の目安といえます。
まとめ
「看板」は、自院の存在を人に知らせたり、中の雰囲気を伝えたり、プライバシーを守ったり、患者様の不安を解消したりするためのものです。
クリニックの看板は数多くの種類がありますが、目的に応じて選び分けていくことが必要です。
この記事の著者
フルサポクリニック編集部
医療、介護施設の設計施工を得意とする「FULLsupport」が運営。
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